コラム

2024.04.21
発達障害について

発達障害の診断を「活かす」 - 子どもの特性を理解し生きやすい環境を整えよう!

子どもに発達障害の診断がついたとき、多くの保護者様は、複雑な思いを抱いたり、何をどうすれば良いのかと戸惑うかもしれません。
しかし、この診断は単なる困難を示すのではなく、子どもの成長と能力開花のための大切な一歩となり得ます。
そのため、診断を受けっぱなしで終わりではなく、診断を「活かす」ことが重要です。
診断を「活かす」とは、子どもが持つ特性をよく理解し、その上でより生きやすく成長できる環境を整えることだと考えます。

【発達障害の診断が意味すること】

発達障害の診断は、特定の行動パターンや感覚処理のちがいを指摘し、これが日常生活や学習にどのように影響を与えるかを明らかにします。
ASD(自閉症スペクトラム)、ADHD(注意欠陥・多動性障害)など、子どもが直面している困難の種類が明確になると、子どもの行動や反応がどのように異なっているかを理解する手がかりとなるのです。

【特性の理解から始める支援】

診断後の第一歩は、子どもの具体的な特性を理解することから始めます。
例えば、ADHDの子どもは集中力が短い、衝動的な行動をとりがちなどの特性があります。
さらに、同じ診断名でも一人ひとり特性の出方は異なりますので、その子の脳はどのような特徴を持っているのかということを分析していきます。
これを理解することで、それまで困難に感じていた活動に対して、短時間で完了するタスクの設定や、小休憩をこまめに挟むなどの工夫ができるようになります。

【環境の調整】

子どもの特性に合わせた環境の調整は、ストレスの軽減と学習の効率化を図るためにとても重要です。
例えば、感覚過敏を持つ子どもには、静かで刺激の少ない学習環境を整える、社会的コミュニケーションが苦手な子どもには、小グループでの活動を通じて徐々に対人スキルを高める機会を増やすなどが考えられます。
子どもを変えようとするのではなく、環境を整えることで、それまで困難に感じていたことが驚くほどスムーズになるケースも多いです。

【教育とサポートのカスタマイズ】

教育プログラムも個々のニーズに合わせてカスタマイズする必要があります。
個別支援計画の作成には、教育者、療育担当者、保護者様、(年齢によっては子ども自身)が参加します。
このプロセスを通じて、一人ひとりの学びやすい方法や必要なサポートが明確になります。

【コミュニケーションと協力】

ご家庭、園や学校、関連する専門家との間で密なコミュニケーションを取ることで、より子どもに合った支援を実現することができます。
子どもの日常的な様子や進歩を共有し、一貫したサポートをおこなったり、支援方法を定期的にアップデートすることが大切です。

まとめ

発達障害の診断を「活かす」ということは、単に特定の困難に焦点を当てるのではなく、子どもの強みを生かし、より良いサポート体制を整えることを意味します。
診断を受け入れ、それを基にした具体的な支援計画を立てることで、子ども一人ひとりがその能力を最大限に発揮し、より充実した生活を送るための一歩を踏み出すことができるのです。

また、子ども自身が自分の特性やニーズを理解し、自分をコントロールできるようになることや、特性について周りに伝えられるようになることも目指していければと考えています。

監修:
発達支援スクール コペルプラス
代表講師 有元真紀

幼児教室コペルの講師時代から、のべ1万人以上の子どもたちの指導に携わる。
また近年は指導員の育成にも力を入れている。

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