コラム

2023.12.03

アダルトチルドレンとは? - 過去からの影響を抱える大人たち

生まれ育った家庭環境は、私たちの心と行動に深い影響を及ぼします。
特に、不安定だったり問題のある家庭環境で育った人は、大人になった後もその影響を受け続けることがあります。
こうした人々はしばしば「アダルトチルドレン」と呼ばれます。
今回は、アダルトチルドレンとはどういった状態か、直面する課題や対処法について考えてみましょう。

【アダルトチルドレンとは】

アダルトチルドレンとは、文字通り「大人の子ども」という意味です。
子ども時代に不安定な家庭環境や親からの適切なケアが欠けていたことで、大人になっても心理的な問題を抱える人のことを指します。
不安定な家庭環境とは、例えば、親が精神的な問題を抱えていたり、アルコール依存症であったり、子どもに対して虐待やネグレクト、過干渉があるなどが含まれます。
これらの状況は、子どもたちに精神的なストレスを与え、成人してからもさまざまなかたちで影響を及ぼし続けることがあります。

【特徴】

次に、アダルトチルドレンの人々が持つ特徴について見ていきましょう。

・自己評価の低さ
自分自身に対する価値を低く見積もり、自己否定的な傾向があります。

・人間関係の困難
他人との健全な関係を築くことに苦労することがあります。
例えば、過剰な依存や逆に人を遠ざける傾向があるなどです。

・感情的な問題
抑うつや不安、怒りのコントロールが難しいケースもあります。

・過剰な責任感
他人の問題に過剰に関与し、自分の感情やニーズを抑え込むことがあります。

・完璧主義
過度な完璧主義や行き過ぎた努力をすることで、自己価値を確認しようとします。

【対処法】

アダルトチルドレンの問題に対処するには、以下のような方法が有効だと言われています。

①自己認識の促進
自分自身がアダルトチルドレンであることを認識することから始めます。
そして、今の自分の感情や行動が、どのように過去の経験に影響されているかを理解することが重要です。

②専門的なサポートの利用
心理療法士やカウンセラーとのセラピーを通じて、子ども時代の経験を理解し、感情を適切に処理する方法を学びます。
同じような経験を持つ人々のサポートグループへの参加が助けになる場合もあります。

③自己受容と自己肯定感の向上
自分自身の感情やニーズを大切にし、受け入れていくことが重要です。
自己肯定感を高めるための活動や習慣を身につけられると尚良いです。

④健全な人間関係の構築
健康的な人間関係を築くために、過去のパターンを振り返り、必要に応じて人間関係を見直したり、関係性を再構築します。
健全な距離感を保ち、互いに支え合える関係を築くことを目指します。

⑤ストレス管理技術の習得
リラクゼーション、趣味、運動などを通じてストレスを管理することが大切です。
自分に合ったストレス解消法を学び、日常生活でも実践していきます。

アダルトチルドレンは、子ども時代の影響が大人になっても続く深い問題です。
過去の影響から自由になり、より健康的で満足度の高い人生を歩むためには、自己認識の促進、専門的なサポートの利用、そして自己肯定感を高めることが鍵となります。

過去は変えられませんが、未来は変えられます。
子どもの時は選べなかった人間関係も、大人になったら自分で選べるのです。
自分自身を大切にし、必要に応じて専門家の助けを求めることが、回復への第一歩となります。
自己と向き合い理解することは時に困難ですが、より良い自分へと進化するための重要なステップであり、成長の旅路でもあるのではないでしょうか。

監修:
発達支援スクール コペルプラス
代表講師 有元真紀

幼児教室コペルの講師時代から、のべ1万人以上の子どもたちの指導に携わる。
また近年は指導員の育成にも力を入れている。

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