コラム

2023.09.04
幼児期の発達

嫌なことがあると眠くなる…その原因は「解離」?

心理的ストレスや過度な緊張を経験すると、人はさまざまな反応を示すことがあります。
中には、嫌なことがあると眠くなるタイプの人もいるのです。
これは単なる偶然や睡眠時間の問題だけでなく、心の奥底での「解離」という現象が起きている可能性が考えられます。
今回はこの「解離」という心のメカニズムについて、探っていきたいと思います。

【解離とは】

「解離」とは、精神が現実から離れようとすることを指す心理学の用語です。
強いストレスやトラウマなど、心が耐え難い出来事に直面すると、それを避けるための防御本能として解離が働くことがあります。
具体的には、現実の状況から逃れたい、耐えられないと心が感じたときに、意識を現実から遠ざけることで、精神的な安全を保とうとするメカニズムです。
眠気や強い疲労感は、解離の一つのかたちとして現れることがあります。

嫌な出来事やストレスを感じると、脳はそれを避けるために逃避のかたちとして眠気を感じることがあるのです。
これは、自分を守るための無意識の反応と言えるでしょう。
例えば、子どもの頃に叱られると眠くなる、という経験をした人もいるかもしれません。
これは、叱責というストレスから逃れるための心の防御反応と解釈することができます。

【対処法】

解離が起きたときの対処法としては、以下の4つを参考にしてみてください。

①自分の感情や身体の反応を認識する
まずは、自分が解離の状態にあることを自覚することが大切です。
眠気や疲労感があるとき、それが何らかのストレスによるものである可能性を考え、自分の感情や身体の反応をしっかりと認識しましょう。

②深呼吸をする
解離感や眠気を感じたとき、深呼吸をすることでリラックスし、心のバランスを取り戻すことができます。
ほかにも好きな音楽を聴いたり、好きな香りをかいだりしてストレスを和らげましょう。

③安全な場所を見つける
自分の心を守れるのは自分だけです。
もし解離を強く感じる場面があれば、一時的にその場を離れ、安全でリラックスできる場所を見つけて休むことが大切です。

④専門家の助けを求める
長期間にわたって解離感やそれに伴う眠気などの症状が続く場合、心理専門家やカウンセラーの助けを求めることを検討しましょう。
ストレスやトラウマは、身体や心に多大な負担をかけます。
このとき解離が働き、現実から一時的に逃れることで、心を守ろうとしているのです。

このような反応は、子どもたちの間でもよく見られるもので、大人とは異なる独自の方法でストレスやトラウマに対処していると考えられます。
ストレスを減らすことはもちろん、子どもが安心して自分の感情や身体の反応を受け入れられるような環境にしていくことが、健全な発達を促進する鍵となります。

監修:
発達支援スクール コペルプラス
代表講師 有元真紀

幼児教室コペルの講師時代から、のべ1万人以上の子どもたちの指導に携わる。
また近年は指導員の育成にも力を入れている。

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