コラム

2023.09.13
発達障害について

親の対応で変わる!? 自閉症スペクトラムの子どもへの伝え方

自閉症スペクトラム(ASD)を持つ子どもたちにとって、日常のさまざまなシチュエーションにおいて人とのコミュニケーションは困難を伴うことが多いです。
しかし、親の対応一つで、子どもたちの感じるストレスや不安を大きく軽減できることが知られています。
今回は、自閉症スペクトラムの子どもへの効果的な伝え方に焦点を当て、その方法やヒントについて解説します。

なぜ伝え方が大事なのか?

それは、自閉症スペクトラム(ASD)の子どもたちは、環境や状況、人の言葉や表情から情報を取り入れる過程が、多くの人と異なるからです。
文字通りの意味を理解しやすい反面、比喩や間接的な表現は理解しにくい傾向にあります。
そのため、言葉を選ぶこと、そしてどのように伝えるかが、コミュニケーションの質を左右するのです。

伝え方のポイントは4つ!

①具体的に伝える
抽象的な言葉より、具体的な言葉や状況を用います。
例えば、「もうすぐ行くね」という抽象的な表現よりも、「5分後に出かけるよ」と具体的に伝えることで、子どもの混乱を減少させることができます。

②繰り返し伝える
一度だけでは理解しづらいこともあるため、同じ内容を繰り返し伝えます。
根気よく何度も同じことを伝えることで、徐々に理解してくれることがあります。

③シンプルで短い文章にする
複雑な文章や長い文章は避け、必要最低限の情報をシンプルに伝えます。

④視覚的なサポートを活用する
言葉だけでは伝わりにくい場合、画像やイラストを用いることで理解を促進できます。
一日の流れや予定を表して見せるなど、日常のスケジュールを可視化することで、安心感を与えることにもつながります。

①~④を意識して伝えたら、子どもの理解度を確認するために、質問を投げかけてみてください。
上手く伝わっていないことも多々ありますが、それも親としての学びの一つです。
無理に早く理解させようとせず、子どものペースを尊重し、さまざまなアプローチを試みてみましょう。

そして、伝える内容や方法も大切ですが、最も大切なのは親子の信頼関係です。
子どもが親を信頼し、安心感を持って会話できること、わからないことがあったらすぐに聞けることで、コミュニケーションの質が上がります。
自閉症スペクトラムを持つ子どもたちとのコミュニケーションは、特別な工夫を要しますが、周りの大人が彼らの世界を理解し、適切な伝え方を身につけることで、より豊かな関係を築く手助けとなるでしょう。

監修:
発達支援スクール コペルプラス
代表講師 有元真紀

幼児教室コペルの講師時代から、のべ1万人以上の子どもたちの指導に携わる。
また近年は指導員の育成にも力を入れている。

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