2024.01.03
聴覚情報処理障害(APD)とは?
聴覚情報処理障害(以下、APD:Auditory Processing Disorder)は、聴力自体は正常であるにも関わらず、聴いた情報を正確に処理できない状態を指します。
この障害は、特に子どもたちの学習や日常生活に大きな影響を及ぼす可能性があります。
今回は、APDの特徴、原因、そして子どもたちへの支援方法について説明します。
【APDとは】
APDは、脳が聴覚情報を解釈する過程で障害が生じる状態です。「末梢聴力には明白な難聴を呈さないが、中枢性聴覚情報処理の困難さによって難聴に似た症状を呈する状態」とされています。
つまり、聞こえているけれどその内容を理解できない、もしくはそのスピードが遅いというような状態です。
これにより、話された言葉の理解が困難になったり、騒音の中での聞き取りが難しくなったりします。
APDのある子どもたちは、聴力検査で正常な結果が出るため、しばしば見過ごされがちです。
【特徴】
APDを持つ子どもたちは、以下のような特徴を示すことがあります。・指示の理解が困難
複数の指示を同時に理解することが難しい。
・背景騒音での聞き取り困難
学校の教室のような騒がしい環境では、特に聞き取りが難しい。
・言語の処理遅延
話された言葉の処理に時間がかかり、遅れて反応することがある。
・会話のフォローが困難
会話の流れを追うのが難しく、しばしば話題についていけない。
【原因】
APDの原因は完全には解明されていませんが、聴覚情報を処理する脳の部分に問題があると考えられています。遺伝的要因、早産、低出生体重、中耳炎などが、APDを引き起こすリスク要因として指摘されています。
【診断】
APDの診断は専門の医師による評価に基づきます。聴力検査、言語理解テスト、注意力や記憶力の評価などが含まれることが多いです。
正確な診断は、適切なサポートを受けるために重要です。
【対応と支援のポイント】
①環境の調整騒音が少なく、聞き取りやすい環境を整えます。
②聴覚訓練
聴覚情報の処理能力を高めるための特別な訓練をおこないます。
③教育的配慮
学校では、先生が指示を繰り返したり、口頭指示だけでなく必ずプリントを用意するなどの視覚的なサポートを提供したりすることが有効です。
④家庭での対応
家庭でのコミュニケーションでは、はっきりゆっくり話す、一度に多くを喋らず指示を単純化する、視覚的な手がかりを使うなどの工夫をします。
⑤専門家との連携
言語聴覚士や心理学者などの専門家と連携し、子どもに合ったサポートを取り入れます。
APDは、子どもの学習や日常生活に大きな影響を及ぼす可能性がありますが、適切な理解とサポートによって、困難を軽減することができます。
APDを持つ子どもたちが自分の可能性を最大限に発揮できるように、一人ひとりのニーズに応じた支援を提供することが重要です。

監修:
発達支援スクール コペルプラス
代表講師 有元真紀
幼児教室コペルの講師時代から、のべ1万人以上の子どもたちの指導に携わる。
また近年は指導員の育成にも力を入れている。
