コラム

2024.04.20

全般性不安障害(GAD)とは? - 症状の理解と対処法について

全般性不安障害(Generalized Anxiety Disorder, GAD)は、広範な日常の事柄に対して、持続的で過剰な不安を感じる心理的な障害です。
この症状は、特定の出来事だけでなく、日常生活のさまざまな面で不安が現れるため、「全般性」という名がつけられています。
今回は、全般性不安障害の症状、特徴、そして効果的とされる対処法について解説します。

【症状】

全般性不安障害の主な症状は、持続的な心配や不安です。
これらの不安は特定の出来事や状況に限定されず、日常生活全般にわたって影響を及ぼします。
例えば、仕事、健康、家族の安全、小さな日常的な決定事項に至るまで、過剰な心配が常に存在します。
この心配はしばしば制御が難しく、日常の活動に支障をきたすことがあります。

他の一般的な症状には以下のようなものがあります。

・睡眠障害(入眠困難、睡眠の質の低下)
・集中困難
・疲労感
・筋肉緊張
・イライラしやすく、小さなことで怒りを感じる

これらの症状は、日常生活や社会生活に深刻な影響を及ぼす可能性があります。

【特徴】

全般性不安障害は、ただの「心配性」であると誤解されがちですが、実際には心理的な障害であり、適切な治療が必要です。
この症状の人たちは、多くの場合、不安が現れる具体的な理由を特定できないことが多く、不安が自己のコントロールを超えたものであると感じます。
また、しばしば悲観的な見方をする傾向があり、最悪のシナリオを想像することが多いと言われます。
これにより、小さな心配事が大きな不安となってしまいます。

【対処法】

全般性不安障害の治療には、心理療法と薬物療法が主に用いられ、個々の症状や生活状況に合わせて選択されます。

・認知行動療法(CBT)
不安を引き起こす考え方や信念を特定し、それをより現実的なものに再構築することを目指します。
認知行動療法は、不安障害の治療において非常に効果的であると広く認識されています。

・薬物療法
医師の指導のもと、適切な薬剤が選択されます。
抗不安薬や抗うつ薬が処方されることが多く、不安の症状を軽減する助けとなります。

・ライフスタイルの変更
規則正しい運動、健康的な食事、十分な睡眠、ストレス管理の技術の実践など、生活習慣を改善することも、不安を減少させるのに有効です。

・サポートグループやカウンセリング
定期的なカウンセリングや、家族、友人、支援グループとのコミュニケーションを通じて、感じている不安や心配事を共有することで、孤立感を減らし、精神的なサポートを受けることができます。

まとめ

全般性不安障害は深刻な心理的状態であり、少なくない方が日常生活で直面しています。
不安との戦いは大変なものですが、適切な支援と治療を受けることで、多くの人がこの症状を克服し、日常生活を楽しむことができるようになります。

自身の感じている不安や心配が普通ではないと感じた場合は、専門の医療機関に相談することが最初のステップです。
そして、自分自身や大切な人が同じ悩みに直面した際に、適切な治療へと導くためにも、こういった情報を知っておくことが役立ちます。

監修:
発達支援スクール コペルプラス
代表講師 有元真紀

幼児教室コペルの講師時代から、のべ1万人以上の子どもたちの指導に携わる。
また近年は指導員の育成にも力を入れている。

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