コラム

2024.04.29

機能不全家族とは? 子どもにどんな影響を及ぼす?

家族は、子どもが健全に成長するための支えであり、安全基地のような存在です。
しかし、機能不全家族という環境では、安全性やサポートが十分に提供されず、子どもの発達にさまざまな影響を与えることがあります。
今回は、機能不全家族とは具体的にどのような状態か、そしてそのような家庭環境が子どもに与える影響について考察します。

【機能不全家族とは】

機能不全家族とは、家庭内の対人関係やコミュニケーションが正常に機能していない家族のことを言います。
家族同士が健康的な関係を築くことが困難であったり、家庭内のコミュニケーションが悪く、支援や安心感が欠けている状態を指します。
このような家族では、一部または全ての家庭機能が正常に働かないことが特徴です。
具体的な問題としては、虐待、ネグレクト(育児放棄)、依存症、家庭内暴力、親の精神的問題などが挙げられます。

【子どもに及ぼす影響】

機能不全家族で育った子どもたちは、多くの場合、以下のような影響を受けることがあります。

・感情的な問題
家庭内で安定した愛情やサポートを受けられないことから、不安、うつ、自尊心の低下、孤独感など、さまざまな感情的問題を抱えることがあります。

・社会的なスキルの欠如
他者と健康的な関係を築くことが難しくなることがあります。
家庭内で適切なロールモデルを持たなかったため、対人関係のスキルが未発達であることが原因です。

・学習の問題
学業に集中することが困難になることもあります。
家庭環境のストレスが原因で、注意力が散漫になったり、学習に対する興味を失ったりすることがあります。

・リスク行動
現状からの逃避や自己表現の手段として、リスクの高い行動に走りやすくなることがあります。

【支援策と家庭外のサポート】

機能不全家族の子どもたちを支援するためには、学校や地域社会からの積極的な介入が必要です。
以下に、有効とされる支援策を挙げます。

・カウンセリングの提供
学校や地域のカウンセリングサービスを通じて、子どもたちが抱える感情的な問題を解決する支援を提供します。

・教育的支援
学習支援プログラムを通じて、学業の遅れを取り戻すための個別指導をおこないます。

・社会的スキルの育成
グループ活動やソーシャルスキルトレーニングを提供し、子どもたちが他者との健全な関係を築くためのスキルを学べる機会を提供します。

・安全な避難所の提供
必要に応じて、一時的なシェルターや長期的なケアホームなど、子どもたちが安全に過ごせる場所を提供します。

まとめ

機能不全家族は、子どもの発達に多大な影響を及ぼす可能性があります。
しかし、適切な介入とサポートがあれば、このような状況の子どもたちも困難を乗り越え、健全な成人へと成長することが可能です。
社会全体がさまざまな環境の子どもたちに対する理解を深め、必要な支援を提供することが求められています。

監修:
発達支援スクール コペルプラス
代表講師 有元真紀

幼児教室コペルの講師時代から、のべ1万人以上の子どもたちの指導に携わる。
また近年は指導員の育成にも力を入れている。

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