2024.06.29
小児期崩壊性障害とは? 突然、複数の発達が後退する?
小児期崩壊性障害(Childhood Disintegrative Disorder、CDD)は、発達が正常に進んでいた幼児が突然、大きな発達後退を示す神経発達障害です。
この病気は非常に稀であり、その特性や原因についてはまだ多くの謎が残されています。
今回は、小児期崩壊性障害の症状、原因、治療法について解説します。
【小児期崩壊性障害の症状】
小児期崩壊性障害の特徴的な症状は、正常に発達していた子どもが2歳から10歳の間に突然、明らかな発達後退を示すことです。以下に、主な症状を詳しく説明します。
・発達後退
言語能力や社会的スキル、運動能力など、すでに獲得していたスキルが急激に失われます。
例えば、話せる言葉が少なくなったり、トイレのトレーニングができなくなったりすることがあります。
・言語発達の遅れ
言葉の発達が停滞し、話すことができなくなる場合があります。
以前に使用していた単語やフレーズが使えなくなることが特徴です。
・社会的スキルの喪失
他人との交流や関わりを避けるようになり、社会的スキルが後退します。
以前は友達と遊べていた子どもが、突然他人との接触を避けるようになるなどです。
・運動能力の低下
運動能力も後退し、基本的な運動スキルが失われることがあります。
例えば、歩行がぎこちなくなる、走ることができなくなるなどの症状が見られます。
・行動の変化
突然の情緒不安定や行動の変化が見られます。
以前は穏やかだった子どもが、突然攻撃的になったり、不安やパニックを示すことがあります。
【小児期崩壊性障害の原因】
小児期崩壊性障害の原因は、まだ完全には解明されていませんが、以下のような要因が関与していると考えられています。・遺伝的要因
一部の研究では、遺伝的な要因が小児期崩壊性障害の発症に関与している可能性が示唆されています。
しかし、具体的な遺伝子や遺伝的メカニズムはまだ明らかにされていません。
・神経学的異常
脳の構造や機能に異常があることが原因と考えられる場合があります。
特に、神経伝達物質のバランスの乱れや特定の領域の機能障害、神経細胞の異常が関与している可能性があるそうです。
・環境的要因
一部の研究では、出生前や出生後の環境的要因が影響する可能性も指摘されています。
例えば、妊娠中の感染症や出産時の合併症が発症リスクを高めるなどです。
しかし、環境要因だけでこの障害が発症するわけではなく、複数の要因が重なることでリスクが高まると考えられています。
【小児期崩壊性障害の治療法】
小児期崩壊性障害の治療には、早期の診断と包括的なアプローチが重要だと言われます。①行動療法
行動療法は、子どもの行動やスキルを改善するために用いられる治療法です。
特に応用行動分析(ABA)は、効果的な治療法として広く認知されています。
特定の行動を強化し、問題行動を減少させるための技術を用います。
②言語療法
言語療法は、言語能力の回復を目指す治療法です。
言語聴覚士が子どもと個別にセッションをおこない、コミュニケーションスキルの向上をサポートします。
③作業療法
作業療法は、子どもが日常生活で必要なスキルを身につけるための支援です。
運動能力や自己管理スキルの向上を目指し、子どもがより自立して生活できるようサポートします。
④薬物療法
特定の行動や感情の問題を軽減するために、薬物療法が用いられることがあります。
例えば、不安や攻撃性を軽減するための抗不安薬や抗うつ薬が処方されることがあります。
⑤家族のサポート
小児期崩壊性障害は、家族全体に大きな影響を与えるため、家族支援も重要な役割を果たします。
カウンセリングやサポートグループを通じて、家族が情報を共有し、子どもをサポートするためのスキルを学んだり支え合うことが必要です。
まとめ
小児期崩壊性障害は、それまで正常に発達していた子どもが突然発達後退を示す深刻な神経発達障害です。その症状は言語能力、社会的スキル、運動能力の喪失など多岐にわたります。
周りの大人が小児期崩壊性障害について理解を深め、早期に適切な対応をおこなうことで、子どものスキルの回復と生活の質向上に大きく寄与します。
子どもたちの成長と発達を見守りながら、情報を共有し続けることが大切です。

監修:
発達支援スクール コペルプラス
代表講師 有元真紀
幼児教室コペルの講師時代から、のべ1万人以上の子どもたちの指導に携わる。
また近年は指導員の育成にも力を入れている。
