2024.08.29
幼児期の発達
見本通りにしか作れない? 創作活動やアートが苦手な子どもへの対応方法
子どもの創作活動やアートは、自由な発想や表現力を育む大切な時間です。
しかし、中には見本通りにしか作れなかったり、創作活動に苦手意識を持つ子どももいます。
こうした子どもたちには、どのように接すれば良いのでしょうか?
今回は、創作活動が苦手な子どもへの対応方法について考えてみます。
【見本通りにしか作れない子どもが持つ背景】
1. 完璧主義の傾向見本通りにしか作れない子どもは、完璧主義の傾向があることが多いです。
見本通りに作ることが「正しい」と思い込み、自分で考えることに不安を感じてしまいます。
これが、創作活動に対する苦手意識につながることがあります。
2. 想像力のブロック
自由な発想ができず、何をどう作って良いかわからない子どももいます。
見本があることで、安心して取り組めるものの、それ以外の方法が思い浮かばず、結果として見本通りにしか作れないのです。
3. 指示や評価に敏感
大人からの指示や評価に敏感な子どもは、「失敗したらどうしよう」「うまくできなかったらほめてもらえない」という不安を感じやすいです。
そのため、見本通りに作ることで、失敗を避けようとする心理が働くことがあります。
【創作活動に苦手意識を持つ子どもへの対応方法】
①自由に考える時間を与える創作活動に取り組む前に、自由に考える時間を設けてみましょう。
例えば、「今日は何を作りたい?」と子どもに尋ねたり、「好きな色を使ってみよう」と提案したりすることで、子どもが自分のアイデアを出すきっかけを作ります。
自由に考えることが楽しいと感じるようになると、見本に頼らなくても大丈夫という自信が生まれます。
②結果よりも過程を大切にする
創作活動では、完成品の出来栄えよりも、どのように作ったかという過程を大切にしましょう。
子どもが自分の手で作り上げたことに対して、しっかりとほめることが重要です。
例えば、「こんな工夫をしてみたんだね」「自分で考えて色を選んだんだね」といったように、子どもの努力や工夫を具体的に認めてあげると良いですね。
③見本をヒントとして活用する
見本を完全に無くしてしまうと、不安を感じる子どももいます。
そのような時は、見本をヒントとして活用してみてはいかがでしょうか。
「見本を参考にしながら、少しアレンジしてみよう」「見本のここだけ真似してみて、あとは自由に作ってみよう」といったアプローチを取ることで、見本に頼りすぎることなく、自分のアイデアを取り入れる練習ができます。
④小さな成功体験を積み重ねる
創作活動が苦手な子どもには、まずは小さな成功体験を積み重ねることが大切です。
簡単で達成感を得やすい課題から始め、徐々に難易度を上げていくと良いでしょう。
成功体験を積むことで、「自分にもできる」という自信が芽生え、次第に創作活動への苦手意識が薄れていきます。
⑤子どもが主導権を持つ活動を増やす
創作活動では、子どもが主導権を持つことができるようにしましょう。
例えば、作るテーマや材料の選択を子ども自身に任せることで、自分の意思を反映させることができる環境を整えます。
これにより、子どもは「自分の作品」という意識が強まり、創作への意欲が高まります。
⑥失敗を恐れない環境を作る
創作活動においては、失敗が付き物です。
しかし、失敗を恐れてしまうと、子どもは挑戦することを避けてしまいます。
そこで、失敗を前向きに捉える姿勢を大切にしましょう。
「うまくいかなかったんだね、次はどうしてみる?」といったように、失敗を成長のチャンスとして捉えさせることがポイントです。
まとめ
創作活動やアートが苦手な子どもには、見本に頼りすぎない工夫や、自由な発想を引き出すサポートが必要です。子どもが自分で考え、自分で作り上げる喜びを感じられるように、周りの大人は温かく見守り、上記のようなサポートを入れていきましょう。
創作活動は、単に作品を作るだけでなく、子どもの自己表現や問題解決能力、そして自己肯定感を育む大切な活動です。
見本通りにしか作れないということを「できない」と捉えるのではなく、その子の個性として理解し、少しずつ自由な発想へと導いてあげられると良いですね。

監修:
発達支援スクール コペルプラス
代表講師 有元真紀
幼児教室コペルの講師時代から、のべ1万人以上の子どもたちの指導に携わる。
また近年は指導員の育成にも力を入れている。
