2024.09.27
発達障害について
発達障害のある子どもの困りごとは、成長と共に現れ方が変わる?
発達障害のある子どもは、日常生活でさまざまな困りごとに直面しますが、困りごとの現れ方は成長と共に変わっていくことがあります。
幼児期に目立つ困りごとが、学童期や思春期、青年期には異なる形で現れることも少なくありません。
そこで今回は、発達障害のある子どもの困りごとの変化について、その成長過程に応じてどのように対応していくべきかを考えてみます。
【幼児期に現れる困りごと】
発達障害のある子どもは、幼児期から特有の困りごとが現れることが多いです。例えば、自閉症スペクトラム(ASD)の子どもは、他者とのコミュニケーションが苦手で、言葉の遅れや対人関係の難しさが目立つことがあります。
また、注意欠如・多動性障害(ADHD)の子どもは、落ち着きがなく、集中力が持続しにくいといった課題がよく見られます。
〈幼児期の主な困りごと〉
・他者とのコミュニケーションが難しい
・環境の変化に強いストレスを感じ、パニックになりやすい
・集中力が続かず、遊びや学習に取り組むのが困難
・衝動的な行動が多く、指示を守れない
この時期の子どもたちは、周囲の大人がその特性を理解し、その子に合った支援をおこなうことで、安心感を得て生活することができます。
具体的には、シンプルなルールを設定したり、予測可能なスケジュールを作成したりすることで、子どもがストレスを感じにくい環境を整えることが大切です。
【小学校低学年での変化】
小学校に入学すると、環境が大きく変わり、新たな困りごとが現れることがあります。特に、学校生活では集団での行動が求められ、これが発達障害のある子どもにとって大きな負担となることが多いです。
例えば、友達と遊ぶときのルールを守ることが難しかったり、授業中にじっと座っていることができなかったりすることが増えてきます。
〈小学校低学年での主な困りごと〉
・集団行動にうまく適応できず、友達とトラブルになる
・授業に集中できず、教室を歩き回る、席を離れる
・先生や友達とのコミュニケーションに苦労し、孤立することがある
・宿題や日常のルーティンをこなすのが難しく、親がサポートする必要がある
この時期には、学校と家庭が連携し、子どもが過ごしやすい環境を作ることが重要です。
例えば、個別の支援計画を立て、授業中に小休憩を入れたり、苦手な課題を細分化したりすることで、子どもの負担を軽減できます。
【思春期における困りごとの変化】
小学校高学年から思春期に差しかかると、身体的な成長と共に心の発達も大きく変化します。この時期には、自己意識が強くなり、友人関係や社会的な評価を気にするようになります。
発達障害のある子どもは、特にこの時期に対人関係の難しさや感情のコントロールが困難になることが多いです。
〈思春期の主な困りごと〉
・友人関係の構築に苦労し、いじめや孤立のリスクが高まる
・感情の起伏が激しくなり、家族や友人との衝突が増える
・自己主張が強くなり、衝動的な行動が増える
・学校生活のストレスが大きくなり、不登校や授業への参加意欲の低下が見られる
この時期には、感情のケアが特に重要になります。
子どもが抱える不安やストレスに寄り添い、心のサポートをおこなうことで、自己肯定感を高めることができます。
また、専門のカウンセラーや心理士のサポートを受けることで、子ども自身が感情を整理し、自分に合ったストレス対処法を学ぶことも有効です。
【青年期以降に向けた支援】
青年期に入ると、進路の選択や将来の社会生活への不安が増すことがあります。発達障害のある子どもたちは、この時期に自己認識が深まり、自分の特性を理解する一方で、その特性に対する不安や葛藤を抱えることが多いです。
また、社会生活で求められるスキルに適応することが難しくなるため、長期的な支援が必要です。
〈青年期の主な困りごと〉
・自己認識と他者からの評価の間で葛藤しやすい
・進学や就職に対する不安が強く、選択に迷う
・社会的スキルの不足により、職場や学校での人間関係が難しくなる
・長期的な目標設定が難しく、将来へのビジョンが曖昧になりがち
青年期には、社会参加や将来の就労に向けたスキルを身につけるための支援が重要です。
特に、職業訓練や社会スキルの学習を通じて、自立に向けた具体的なステップを踏むことが求められます。
また、自己肯定感を高め、失敗を恐れずにチャレンジできる環境を整えることが大切です。
まとめ
発達障害のある子どもの困りごとは、成長と共にその形が変わっていきます。幼児期にはコミュニケーションや日常生活の困難が目立ちますが、小学校に入ると集団行動や学習面での課題が増え、思春期には感情のコントロールや対人関係の難しさが顕著になります。
青年期には、進路選択や社会参加に向けた不安が大きくなり、長期的な支援が求められます。
このように、一人ひとりの成長段階に応じたサポートをおこなうことで、困りごとを軽減し、子どもたちは自分らしく生きる力を身につけていくことができるでしょう。
そのためには、ご家庭、園や学校、そして専門機関が連携し、子どもたちが安心して成長できる環境を整えることが重要です。

監修:
発達支援スクール コペルプラス
代表講師 有元真紀
幼児教室コペルの講師時代から、のべ1万人以上の子どもたちの指導に携わる。
また近年は指導員の育成にも力を入れている。
