コラム

2023.03.15
発達障害について

コミュニケーション力を育てるために

自閉症スペクトラムの特性のひとつとして、他者の感情や言葉にしない意図を理解するのが難しいと言われます。
それは特に、皮肉のように言葉の意味と話し手の意図が大きく異なる表現や、「もうちょっと」のような意味を限定できない曖昧な表現の理解に顕著で、語用障害とも言われます。

語用論とは、言葉を何らかの事象を意味するものとしてだけとらえるのではなく、状況や文脈から意図を分析し理解しようとする考え方です。
つまり語用障害とは、その場の状況から意味を想像することが難しい状態と言えます。

ただ、子どもが言ったことの意図をよく理解できないからと言って、障害だと決めつけるものでもありません。皮肉を理解できるのは12歳くらいと言われますので、言外の意味を想像するのは経験の少ない幼児にはそもそも難しく、経験を重ねて育つスキルと言えるからです。
経験を正しく学習につなげるためには、一方的に教えるのではなく、その経験が成功体験になることが重要です。
子どもが意図を理解できていない、あるいは対応が不適切と感じた時に、「こうすべき」と一方的に教えるだけでは、その時の子どもの行動への否定となる可能性もあり、成功体験にはつながりにくいです。

そこでお勧めしたいのが、ゲームとして取り組む方法です。
次回は楽しくコミュニケーション力を育てるゲームをご紹介します。



執筆:
発達支援スクール コペルプラス
代表講師 有元真紀

幼児教室コペルの講師時代から、のべ1万人以上の子どもたちの指導に携わる。
また近年は指導員の育成にも力を入れている。

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