コラム

2023.07.05
発達障害について

知的障害はなぜ生まれる? 発症要因は?

知的障害(または知的発達症)は、一般的に学習・理解・問題解決などの領域での認知機能に制約を伴う状態を言います。
知的障害がなぜ生じるのかには、多くの要因が関与しており、その原因は個人ごとに異なることが多いです。

まず、遺伝的要因が挙げられます。
一部の知的障害は、遺伝子の変異や染色体の異常によって引き起こされることがあります。
ダウン症候群はその典型的な例で、21番目の染色体が3本あることによって引き起こされます。

次に、妊娠中の母親の健康や環境も要因として挙げられています。
妊娠中に母親が感染症を罹ったり、アルコールや薬物を摂取したりすると、胎児の脳の発達に悪影響を及ぼす可能性があります。
胎児性アルコール症候群(FASD)などは顕著な例です。

また、出生時の合併症や早産も知的障害の原因となることがわかっています。
酸素不足や出生時の感染症は、新生児の脳にダメージを与え、知的障害を引き起こすことがあるようです。

ほかにも、幼少期における栄養不足や感染症、頭部外傷、環境的ストレスなども知的発達に影響を及ぼす可能性が指摘されています。
特に、脳が急速に発達する幼少期は、外的要因による影響が大きくなるため、注意が必要です。

最後に、一部の知的障害は特定の原因がなく、不明な要因によるものです。
これは、現在の医学的知識では説明が難しい場合もあり、研究が続けられています。

知的障害のある子どもたちには、教育面でも早期発見と適切なサポートが必要です。
個別の療育プランや専門的支援を提供することで、子どもたちが自分自身のペースで学び成長することが可能になります。
社会的な側面では、知的障害を持つ人々に対する理解と受け入れを広げることが重要だと考えます。
多様性を受け入れる社会において、障害があってもなくても自分らしい人生を送れるということは、全ての人にとっての豊かさに繋がるのではないでしょうか。



監修:
発達支援スクール コペルプラス
代表講師 有元真紀

幼児教室コペルの講師時代から、のべ1万人以上の子どもたちの指導に携わる。
また近年は指導員の育成にも力を入れている。

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