コラム

2023.07.11
発達障害について

エコラリア - 関わり方の工夫

自閉症スペクトラムの特徴のひとつに、相手の言葉をオウム返しのように言う「エコラリア」があります。
相手が言った内容をすぐにそのまま繰り返すことを「即時性エコラリア」、以前聞いたCMの一部などを時間を置いて繰り返すことを「遅延性エコラリア」と言います。

このようなエコラリアは、言葉の表出のみられる自閉症スペクトラムの子どもの約85%にみられる特徴だということが報告されています。
ですが、オウム返しは1~2歳頃の子どもが言葉を獲得する時期にもよく見られ、定型発達の子であっても見られる現象です。

【注意したいサイン】

自閉症スペクトラムかどうかを気にされる場合は、以下のような他の特徴に当てはまるかどうかも、よく観察してみると良いと思います。
・目が合わない、人への興味が薄いなどの対人関係の不自然さ
・同じパターンにこだわる、おもちゃを規則的に並べるなどのこだわりの強さ
・感覚過敏または低感覚など

【関わり方の工夫】

オウム返しをする時期は、言葉を覚えようとしている時期でもあります。
この時期の関わり方によって、子どものこれから先の言葉の伸び方が変わってきます。

コペルプラスでは、オウム返しを会話に変えて、少しずつコミュニケーションを成立させられるよう関わり方を工夫しています。
例えば、指導員がくるまのカードを持ち「これは何?」と聞き、お子様が答える前に指導員が「くるま」と言い、それを真似してもらいお子様が「くるま」と言います。
答えの見本を先に言うことで、段々と「これは何?」と聞かれたら、相手の持っているものや指差している物を答えるということが理解できるようになってきます。

次のステップでは、質問に選択肢(答えの見本)を付けて聞きます。
「何がほしい?みかん?りんご?」という風に2択で聞くと、答えを選びやすくなります。

また、遊んでほしい時などに適切な言葉が出ず、不適切な特定の言葉が遅延性エコラリアとして出る場合は、その場で「あそんで」と見本を言ってオウム返ししてもらうことで、要求に合った表現方法が身についていきます。
このような会話の練習を通して、お子様がコミュニケーションをとる楽しさも感じられるようサポートしています。

監修:
発達支援スクール コペルプラス
代表講師 有元真紀

幼児教室コペルの講師時代から、のべ1万人以上の子どもたちの指導に携わる。
また近年は指導員の育成にも力を入れている。

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