コラム

2023.07.17
発達障害について

特別支援学級の児童数が倍増している理由

特別支援学級に在籍する児童生徒数は、2010年の14万人に対して、2020年は2倍の30万人に増えています(学校基本調査より)。
その中でも、一部の発達障害が含まれる「自閉症・情緒障害」の児童生徒数は、10年間で2.7倍にまで増えています。

理由として考えられるのが、2007年の特別支援教育制度の改正です。
それまで障害の種類によって、盲・ろう・養護学校や特殊学級に振り分けられていた「特殊教育」が、改正を機に「特別支援教育」に転換しました。

従来の障害に加えて特別支援教育の対象になったのが、発達障害です。
これにより、対象となる子どもの数が大幅に増えたのです。

加えて、発達障害への認識や理解が進んできたことも要因の一つと考えられます。
過去には見過ごされていたり、誤解されていたりした障害が、今日ではより正確に診断されるようになってきています。
これに伴って、支援が必要な子どもたちが早期に診断を受け、就学前から療育を受けたり、特別支援学級に入学するケースが増えています。

保護者の方の意識の変化も大きな要因です。
以前は、特別支援学級に子どもを通わせることに対して否定的なイメージを持つ方も少なくありませんでしたが、最近では個別のニーズに合った教育が重視され、肯定的に捉える方が多くなりました。
これは、社会が多様性を受け入れ、個々のニーズを尊重する方向に進んでいることの表れでもあります。

特別支援学級では、児童生徒一人ひとりに合わせた指導目標が掲げられています。
発達に凸凹のある子が、より充実した支援を受けられることや、一人ひとりに合わせたきめ細かな対応を受けられることから、特別支援学級を選択肢に選ぶご家庭も増えています。



監修:
発達支援スクール コペルプラス
代表講師 有元真紀

幼児教室コペルの講師時代から、のべ1万人以上の子どもたちの指導に携わる。
また近年は指導員の育成にも力を入れている。

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