2023.08.30
発達障害について
ミュンヒハウゼン症候群とは? かまってちゃんと何がちがう?
私たちの周りにはさまざまな精神的な問題や疾患を持つ人が存在します。
中でも、あまり耳慣れないかもしれない「ミュンヒハウゼン症候群」について、深く掘り下げてみましょう。
【ミュンヒハウゼン症候群とは】
ミュンヒハウゼン症候群は、医学的に認知された精神障害の一つです。この症候群の患者は、自らの身体に害を及ぼすか、病的な症状を偽造し、医療機関で治療を受けることを繰り返します。
この行動の背後には、他者からの同情や注意を引きつけたい、という強い動機があります。
ミュンヒハウゼンという名は、18世紀のドイツの冒険家バロン・ミュンヒハウゼンに由来しています。
彼は自分の冒険話を誇張して話すことで有名だったため、この症候群の名前として用いられるようになりました。
【特徴】
①病歴の不整合頻繁に病院を変え、医師に異なる症状や病歴を語ることが多い。
②複雑な症状
一般的には珍しい、または複雑な症状を持っていることが多い。
③極端な手段
症状を偽造または誇張するために、自らの身体に害を与えることもある。
中には、医療機関で不必要な治療や手術を受けることもある。
この症候群には別のタイプ、通称「ミュンヒハウゼン症候群 by proxy」も存在します。
これは、親(ケアをする側)が自分の子どもなど(ケアを受ける側)に対して、何らかの害を与えることで症状を作り出し、医療機関での治療を求める行動をとるものです。
彼らの目的も、他者からの同情や注意を引きつけることにあります。
【原因】
では、なぜこのような行動をとってしまうのでしょうか?ミュンヒハウゼン症候群の原因として考えられているのが、幼少期のトラウマや育った環境、ほかの精神的な問題です。
例えば、ネグレクトを受けていた過去があると、他者からの注意やケアを受けたいという強い欲求から、この疾患を引き起こすことがあると言われています。
【かまってちゃんとのちがい】
ここまでの話で、ミュンヒハウゼン症候群はいわゆる「かまってちゃん」と似ているように感じられるかもしれませんが、いくつかの点で大きく異なります。まず、深刻度の面で、ミュンヒハウゼン症候群は、身体的危険を伴う行動が特徴で、繰り返し医療機関を受診することで生じる医療コストやリスクが社会的問題ともなります。
一方、かまってちゃんの行動は、心配させるような言動やSNSなどの情報発信を中心とすることが多く、直接的な身体的危険は少ないことがほとんどです。
また、原因についても、ミュンヒハウゼン症候群は過去のトラウマや精神的な問題が原因として考えられる一方、かまってちゃんの背後には、現代のSNS文化や承認欲求が影響していると言われています。
【治療法】
次に、どのような治療が必要かについて紹介します。ミュンヒハウゼン症候群の診断や治療は難しく、まずはその行動の原因となる精神的な問題や背景を理解することが重要です。
専門医によるカウンセリングや精神療法を中心としたアプローチが効果的とされています。
他者からの注意や同情を求める強い欲求から生じるミュンヒハウゼン症候群の治療には、適切な理解とサポートが必要不可欠です。

監修:
発達支援スクール コペルプラス
代表講師 有元真紀
幼児教室コペルの講師時代から、のべ1万人以上の子どもたちの指導に携わる。
また近年は指導員の育成にも力を入れている。
