発達障害の偉人シリーズ① エジソン ~発明の王~
現在の私たちの生活は、無数の発明によって支えられ、豊かで便利になりました。
その多くは、過去の偉人たちの手によって生み出された恩恵です。
中でも、「発明の王」と称されるトーマス・エジソン(1847-1931)は、1,093もの特許を持ち、私たちの生活に多大な影響を与えています。
今回は、「発達障害の偉人シリーズ」の第1弾として、エジソンに焦点を当て、その天才的な発明と、今日から考える発達障害との関連性について考察していきます。
幼い頃のエジソンは、入学した小学校で多くの困難に直面していました。
彼は聴覚に問題を抱え、教室の環境で教師の声をきちんと聞き取ることができなかったと言われています。
また、彼の学び方や考え方は、他の多くの生徒たちとは異なっており、当時の教育システムの中で理解されづらい存在でした。
算数の授業中には「1+1=2」と教えられても鵜呑みにすることができず、「1個の粘土と1個の粘土を合わせたら、大きな1個の粘土なのになぜ2個なの?」と質問したり、国語の授業中にも、「A(エー)はどうしてP(ピー)と呼ばないの?」と質問したりと、授業中には「なぜ?」を連発し、先生を困らせていたそうです。
現代から見れば、これらのエピソードは、発達の特性として認知される可能性が高いのではないでしょうか。
エジソンが学校に行ったのは、わずか12週間しかありませんでした。
当時の彼は先生から「教えがたい子ども」とされ、教師であった母親が家で彼を教えることになります。
しかし、この選択が彼の未来にどれほどの好影響を与えたのでしょうか。
母親はエジソンの「なぜ?」を丁寧に説明し、彼はしっかりと理解していったとのことです。
家庭教育を受けたエジソンは、自ら学び、探求する力を養い、数々の発明を生み出すこととなります。
エジソンは標準的な方法での学びに適合できなかったものの、オリジナルの方法を見つけ、世界を変える発明を生み出していきました。
また、エジソンは極度の集中力を持っていたとされます。
彼は一度何かに集中すると、周囲の音や出来事に気づかなくなるほどでした。
これは、ADHDの特性である「ハイパーフォーカス」であるとも考えられます。
この特性が、電球や蓄音機など、彼が生み出した多くの発明にどれほど寄与したのかは計り知れません。
さらに、従来の枠を超えたユニークな思考方法を持っていたことも知られています。
彼は失敗を恐れず、ある説によれば電球を作るのに数千回もの試みを重ねたと言われています。
「失敗は成功の母である」という彼の言葉は、特性を逆手にとり、それを最大の強みとして活かしていったことを物語っています。
エジソンの発明の多くは、直感と試行錯誤から生み出されました。
彼は学校教育ではなく、自らの経験と実験を通して学びを深めたのです。
このような学び方や発明の方法も、彼が持っていた独特な視点や集中力、そして物事に対する強い興味関心、こだわりから来ていたのかもしれません。
エジソンが私たちに残してくれたものは、発明だけでなく、「自分らしい方法で世界を理解し変えていく」ことの価値でもあります。
彼(とその母)は、自分自身の適性と興味を理解し、それを最大限に活かす方法を見つけ出しました。
エジソンのストーリーは、全ての子どもたちに“あなた自身の方法を見つけることができる”というメッセージを送っています。
コペルプラスでのサポートを通し、共に学び、成長していく中で、多くの「小さなエジソンたち」が自分自身の強みと向き合い、世界に貢献していくことを心から願います。
注: 歴史的な人物に対する発達障害の仮説は、あくまで文献や資料に基づく仮説としてお読みいただけますと幸いです。

監修:
発達支援スクール コペルプラス
代表講師 有元真紀
幼児教室コペルの講師時代から、のべ1万人以上の子どもたちの指導に携わる。
また近年は指導員の育成にも力を入れている。
