コラム

2023.10.23

発達障害の偉人シリーズ② 山下清 ~独自の色彩感覚を活かした画家~

発達障害という言葉が一般に浸透し、多くの人が理解を深める今日、過去の偉人たちの中にも、発達に特性を持っていた可能性が指摘される人物がいることをご存知でしょうか。
今回の「発達障害の偉人シリーズ」では、多彩な色を駆使し、心温まる作品を生み出した画家・山下清にスポットを当ててみます。

「裸の大将」で有名な山下清(1918-1980)は、20世紀の日本を代表する画家の一人として知られています。
彼の作品は、都会の喧騒や風景、日常の人々の姿を独自の視点で描いたものが中心です。
直線と曲線が絶妙に組み合わさった独特な構図と、鮮やかでありながらもどこか優しい色彩で、いまも多くの人々を魅了しています。

山下清は言葉をあまり用いず、その代わりに絵を通じて自分の内面を表現していたと言います。
学校の勉強が苦手で、その後も困難な道を歩む中、彼は絵画に情熱を見いだします。
絵を描くことで、自分の世界を表現し、自分自身を解放していったのです。

このような背景から、広汎性発達障害(PDD)を持っていたのではないかという指摘がされることもあります。
彼のコミュニケーション方法や創作活動は、「脳機能の偏り」が独自の世界観を広げていったことを私たちに示してくれます。

山下清は、スケッチを基本にせず、直感でキャンバスに色をのせる手法で知られています。
彼の作品からは、計算され尽くしたものではなく、一瞬の感情や印象が素直に表現されていることが感じられます。
子どものような無邪気さと純粋さに溢れ、自由に表現を楽しんでいたからこそ、独自のスタイルが確立されたのです。

山下清の生涯は、彼自身の内なる世界と、それを理解し支えた周囲との深い絆の物語でもあります。
彼は多くの人々と心を通わせることができ、彼の純粋な心と芸術に対する真摯な姿勢は、多くの友人を惹きつけました。

発達に凸凹のある子どもたちも、同じように周りとのコミュニケーションが難しいと感じることがあるかもしれません。
しかし、彼ら自身の「言語」を見つけ、理解し合える友人がいれば、互いに支え合いながら豊かな世界を創り上げることができます。

山下清の生涯と作品は、発達障害を持つ人にとって、大きな希望となるものです。
彼のように、自分の持っている強みや独自の視点を活かすことで、多くの人々の心に響く何かを生み出すことができるかもしれません。

私たちが子どもたちをサポートする際、山下清の事例は、自分自身の強みや特性を理解し、活かすことの重要性を再認識させてくれます。
今後も、多くの子どもたちが強みや特性を活かして、自分の道を切り開いていくことを全力で応援していきたいと考えています。
 

注: 歴史的な人物に対する発達障害の仮説は、あくまで文献や資料に基づく仮説としてお読みいただけますと幸いです。


監修:
発達支援スクール コペルプラス
代表講師 有元真紀

幼児教室コペルの講師時代から、のべ1万人以上の子どもたちの指導に携わる。
また近年は指導員の育成にも力を入れている。

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