コラム

2023.11.02
幼児期の発達

言語発達遅滞とは? - その原因と家庭でできるサポート方法

言葉の遅れは、子どもの成長と共に気になる点として表れることが少なくありません。
発語がない、会話が難しい、言葉が思うように出ないことで怒りっぽくなる、といった症状は親としても気になりますよね。
では、言葉の発達が遅れる原因として、どのようなことが考えられるのでしょうか。
今回は、言語発達遅滞について掘り下げ、ご家庭でできるサポート方法についてもご紹介します。

【言語発達遅滞とは】

言語発達遅滞とは、言葉の理解や使用において、平均的な発達状態よりも大幅に遅れることを指す言葉です。
子どもが言葉を覚え、話し始める時期には個人差がありますが、おおよその基準として以下を参考にしてみてください。

【言葉の発達おおよその基準】

1歳:単語(「ママ」「パパ」など)を使い始める。
2歳:短い二語文(「もっと」「だめ」など)を使い始める。
3歳:簡単な文章を使い、簡単な質問に答えられるようになる。

1歳半で意味の伴った言葉が2つ以下である場合や、3歳で二語文が出ていない場合は、専門家による評価を求めてもいいかもしれません。

【言葉が遅れる原因】

次に、言語発達遅滞の原因について考えてみましょう。
大きく分けると、発達の個人差である場合と、聴覚や脳機能の発達などに何らかの障害がある場合に分けられます。

個人差の場合は、単純に目安より遅れているだけで、成長する過程で遅れは目立たなくなることがほとんどです。
十分な言語刺激を受けられない環境や、ほかの子どもとのコミュニケーションが極端に少ないことも影響を与えると言われますので、環境を整えてあげることも意識しましょう。

何らかの障害が原因の場合は、障害に応じた対応をしていくことが大切です。
言葉の遅れがある際に考えられる障害は以下の通りです。

①聴覚の問題
うまく聞こえていないと、言葉を模倣することが難しくなります。
1歳半、3歳の乳幼児健診の際にも、耳の聞こえのチェックがおこなわれますが、家庭生活の中でも気を付けて見てあげるといいでしょう。

②知的発達の遅れ
一般的な認知能力の発達の遅れが言語発達にも影響を与える可能性があります。

③自閉症スペクトラム
コミュニケーションスキルの獲得に課題を持つ子どもは、言語発達遅滞を示す場合があります。

障害があるかどうかは、言葉の表出のみによって判断できず、他者との関係性やコミュニケーションの発達にも目を向けることが必要になります。
また、聴覚や認知能力、周囲への関心やコミュニケーションなどに問題がなく、言葉の遅れだけが見られる場合は「発達性言語障害」の可能性があります。
「発達性言語障害」については、次回のコラムで詳しく解説します。

【言葉の発達を促すサポート】

続いて、家庭でできる言葉の発達を促すサポートをご紹介します。

〈読み聞かせ〉
定期的な読み聞かせは、言語感覚を養い、語彙を増やす手助けをします。

〈会話の時間を増やす〉
日常的な会話を大切にし、日常の出来事や感じたことを積極的に子どもと共有しましょう。
意見や感想を引き出すようなオープンクエスチョンも取り入れてみてください。

〈リズムや歌に親しむ〉
歌やリズム遊びも言語発達に有効です。
楽しみながら声を出したり手遊びをするなど、言葉に親しんでみましょう。

言葉の遅れは、親として気になる問題かもしれません。
しかし、焦らず、愛情をもってサポートすることが何より大切です。
上記の方法を取り入れながら、その子のペースで言葉が溢れ出してくるのを楽しみましょう。

また、何か気になる症状があれば、専門家に相談するのも一つの方法です。
コペルプラス各教室でも、お電話やお越しいただいてのご相談を受け付けております。
まずはお気軽にお問い合わせいただければと思います。

監修:
発達支援スクール コペルプラス
代表講師 有元真紀

幼児教室コペルの講師時代から、のべ1万人以上の子どもたちの指導に携わる。
また近年は指導員の育成にも力を入れている。

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