コラム

2023.11.03
発達障害について

発達性言語障害とは? - 2つのタイプと支援方法について

発達性言語障害(DLD: Developmental Language Disorder)とは、難聴、知的発達の遅れ、自閉症スペクトラムなど特定の原因がなく、運動発達や非言語性コミュニケーションが良好であるにもかかわらず、言語発達のみが遅れることを指します。
具体的には、言葉の理解や表現、文法の構築、単語の選択など、さまざまな言語機能に関する遅れや困難が現れます。
この障害は、ほかの発達障害とは異なり、言語の発達のみに問題があるということが特徴です。

【種類】

発達性言語障害には、言葉自体は理解してるが言葉の表出が遅れる「表出性言語障害」と、言葉自体を理解していないことにより言葉の表出も遅れている「受容性言語障害」の2種類があります。
表出性言語障害は、言語の「出力」が難しく、言語理解は良好なのに発語が遅れるタイプです。
言葉による指示に対して身振り・指さしなどで反応するなど、言語理解力があるタイプで、就学までに約9割が正常範囲にキャッチアップすると言われています。

受容性言語障害は、言語の「入力」が難しく、言語理解と発語がともに遅れるタイプです。
約6割が就学時にも遅れが認められるとされ、言語聴覚士などによる対応を考慮する必要があります。

これら2つは独立している場合もあれば、同時に存在する場合もあります。
両方に困難を持つ子どもは、言語の「使用」と「理解」の両方で支障を感じる可能性があります。

【原因】

発達性言語障害の原因は、明確には解明されていません。 遺伝的要因が一部関与している可能性はありますが、その他の要因との相互作用もあるとされ、環境や身体的な状態なども影響を与える可能性があります。

【サポート】

支援方法は、それぞれの障害に対して、また一人ひとりに合わせて、個別のアプローチを考える必要があります。
言語聴覚士や療育の専門家からの専門的支援ももちろん有効ですが、家庭でのサポートも重要です。
表出性言語障害のお子様に対しては、言葉を使ったゲームや、表現の練習を積極的におこないましょう。
受容性言語障害のお子様には、繰り返しと模倣を通じて、言語理解の基礎を固めましょう。
絵本の読み聞かせや、会話の機会を増やすことなど、日常的なサポートも取り入れていけるといいですね。

適切なサポートと環境を提供することで、子どもたちは言葉を通じたコミュニケーションの困難を乗り越えることができます。
保護者様や教育者、周囲の大人たちが理解とサポートを深めることで、子どもたちが言葉の世界をより広く、深く探求することにつながるでしょう。

監修:
発達支援スクール コペルプラス
代表講師 有元真紀

幼児教室コペルの講師時代から、のべ1万人以上の子どもたちの指導に携わる。
また近年は指導員の育成にも力を入れている。

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