コラム

2023.12.20
発達障害について

クレーン現象とは? - 発達障害との関連性について

発達障害の理解において、時に「クレーン現象」という用語が登場します。
この現象は、特に自閉症スペクトラム(ASD)を持つ子どもたちにおいて顕著に見られることがあります。
今回のコラムでは、クレーン現象とは何か、発達障害との関連性、そして対応策について考えてみましょう。

【クレーン現象とは】

クレーン現象とは、文字通り「クレーン」のように、他人の手を使って要求を示す行動を指します。
例えば、子どもが何かをしたいときに、保護者や他の人の手を取って物を指したり、欲求を解消しようとするなど、相手の手で自分の要求を表現する動作のことです。
この現象は、コミュニケーションの方法として用いられることが多く、言語的な表現や指差しといった非言語的なコミュニケーションが困難な子どもたちに見られます。

【発達障害との関連性】

クレーン現象は、発達障害のある子どもたち、特に自閉症スペクトラム(ASD)を持つ子どもたちによく見られます。
この行動の背景には、言語的なコミュニケーションや適切な身振り手振りの使用に困難を抱えていることがあるとされています。
しかし、子どもに何度かクレーン現象が見られたからといって、必ず自閉症スペクトラムがある訳ではありません。
クレーン現象が多く出ると言われている1歳前後の年齢は、まだまだ言葉を使って要求を伝えることができないことも多くあります。
その場合、さまざまな方法で要求を伝えますが、その方法の一つとしてクレーン現象が起こる場合もあります。

【対応方法】

①行動の意図を理解する
子どもの伝えたいことは何か、身近な大人が推測し、伝えたいことを代弁してあげることから始めます。
子どもが何を意図して行動しているのかを理解し、それに応じた対応を取ることが大切です。

②選択肢の提供
たくさんの種類があるものを並べて、あるいは表示されているところで、どれがいいのかを選ばせてみましょう。
子どもが自分の興味がある方に手を伸ばしたら、指をささなくても、「こっちがいいのね」「選べたね」とほめてあげます。

③コミュニケーションスキルの強化
表現手段を紹介し、一緒に練習してみましょう。 言語的なスキルや適切な身振りの使用を促すことで、子どもたちは他のコミュニケーション手段を学ぶことができます。

④人と関わるモチベーションを育む
子どもが「気持ちを満たしてもらえた」と感じられるよう、積極的に子どもの行動に反応していきます。
「嬉しいことが起こった、思いが叶った、不快な気持ちが軽減した、不安が和らいだ」という体験を積み重ねることが大切です。

クレーン現象は、まだうまく言葉で伝えられない子どもたちがおこなう表現方法の一つです。
この行動を理解し、適切なサポートを提供することで、子どもたちはより効果的なコミュニケーション手段を学ぶことができます。
子どもたちが自己表現のスキルを磨き、自分の意志を伝えられるよう一緒にサポートしていきましょう。

監修:
発達支援スクール コペルプラス
代表講師 有元真紀

幼児教室コペルの講師時代から、のべ1万人以上の子どもたちの指導に携わる。
また近年は指導員の育成にも力を入れている。

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