コラム

2024.01.22
発達障害について

学習障害の小学生が困難を抱えがちなシチュエーション

学習障害の子どもたちは、基本的には、周囲を巻き込むようなトラブルは起こさないとされています。
ですがその分、周りが気づかないところで、先生の言っていることがわからない、授業についていけないといった問題が生じます。
本人はそのことについて深く悩んだり、落ち込んだりすることがあり、学習へのモチベーション低下や不登校につながることもあります。
そこで今回は、学習障害を持つ小学生が困難を抱えがちなシチュエーションと対応方法について考えてみましょう。

【先生の指示が理解できない】

〈シチュエーションの例〉
先生に指示された内容を理解できず、何度も聞き返して授業の流れを止めてしまう。

〈対応方法〉
聞くことに困難がある場合、複数の指示や集団の中での指示が理解しにくい傾向があります。
先生は、短い指示を一度に一つずつ与える、個別にフォローするなどの工夫が必要です。

【文字を読むことまたは書くことが苦手】

〈シチュエーションの例〉
教科書を読み上げる際、単語を誤読したり、文章の意味を理解できなかったりする。
見たものを書き写すことが苦手で、板書に苦労したり、授業についていけなかったりする。

〈対応方法〉
読むこと、または、書くことに困難がある場合は、学習する際に視覚的・聴覚的なツールを使用し、理解を深めます。
個別指導や補習を通じて、子どもの学習スタイルに合わせたサポートを提供することも有効です。

【算数が極端に苦手】

〈シチュエーションの例〉
数の概念が身につかなかったり、計算方法がどうしても理解できなかったりする。

〈対応方法〉
個別指導の時間を設け、その子に合った方法で少ない問題をゆっくりと丁寧に教えます。
学習の目標を小さなステップに分け、子どもが達成感を感じられるようにすることも大切です。

【整理整頓ができない】

〈シチュエーションの例〉
教科書やノートを整理するのが難しく、机の中やロッカーの中がぐちゃぐちゃ。
重要な情報や学校の連絡事項を見落とすことがある。

〈対応方法〉
学校の教材を分かりやすくラベル付けし、整理する方法を指導します。
定期的に子どもの持ち物やノートを確認し、整理を手助けすると共に、連絡事項がないか確認します。

学習障害は、幼児のうちはなかなかわからないことが多く、小学校に上がって本格的に勉強を始めるまで気付きにくいという特徴があります。
他の勉強は普通にできるのに、特定の学習だけがうまくいかないため、ただの努力不足や、もう少し頑張ればできると思われがちです。
見逃され、必要な支援を受けられないと、子どもが自信を失ってしまうこともあります。
そのため、保護者様、先生、専門家が協力して、個別のニーズに応じたサポートを提供することが重要です。

監修:
発達支援スクール コペルプラス
代表講師 有元真紀

幼児教室コペルの講師時代から、のべ1万人以上の子どもたちの指導に携わる。
また近年は指導員の育成にも力を入れている。

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