コラム

2024.02.27
幼児期の発達

利き手はどのように決まる? 左利きは治すべき?

子どもの発達過程で、多くの方が気になるのが「利き手」の問題です。
左利きの人の割合はおよそ10%と言われています。
10人に1人なので、クラスで2~3人はいる計算となり、決して珍しいことではないことがわかります。

利き手は、単によく使う手といった以上の意味があり、脳の発達や遺伝、さらには文化的背景にまで関連していると言います。
今回は、利き手がどのように決まるのかという科学的な背景と、左利きの子どもへの対応について考えてみましょう。

【利き手はどのように決まる?】

科学的研究によると、利き手の選択には脳の発達が大きく関わっており、特に脳の左半球と右半球が担当する機能の差異が影響しているとされます。
多くの場合、言語機能を担う脳の左半球が優位な人は右利きになりやすく、逆に、空間把握や情報処理を担う右半球が優位な人は左利きになりやすいとされています。

また、遺伝も利き手に影響を与える要素の一つで、左利きの親から左利きの子どもが生まれる確率は高まります。
さらに、子どもが育つ環境や文化的背景も、利き手の選択に影響を及ぼすことがあります。
利き手の決定には、生物学的、遺伝的、環境的要因が複雑に絡み合っているのです。

【人間だけが90%右利きなのはなぜ?】

動物の中で見ると、人間だけが90%と右利きに偏っています。 人間と他の動物の最大のちがいは、言語能力です。
多くの人の場合、言語中枢は左脳にあるため、人間は左脳が優位になりやすく、左脳の支配する右半身の方が発達するので右利きが多いという説があります。

では、左利きの人の脳はどのようになっているのでしょうか。
言語中枢は、右利きの人の95%が左にあるのに対し、左利きの人の70%も同じ左にあると言います。
このように、利き手と言語中枢との関係は、まだわかっていない部分も多くあります。

【左利きの脳の特徴は?】

ただ、左利きの脳と右利きの脳は全く同じではなく、左利きの人の方が脳の左右差が少ないということがわかっています。
左利きの人の脳の調査によると、「右脳がより発達している」、また「右脳と左脳のつながりが強く、情報処理力が優れている」ことも明らかになっています。

右脳は空間把握や情報処理をつかさどっており、ある数学の問題を解く実験では、易しい問題については右利き・左利きの差は出なかったものの、難問では左利きの方が高得点を出したという結果になったそうです。

【左利きは治すべき?】

一昔前まで、左利きは不便であるとか、矯正すべき特性であると見なされることもありました。
しかし、今日では左利きであることの多くの利点が認識され始めており、左利きの子どもを無理に治そうとすることは推奨されていません。

左利きの人は、右利きの人とは異なる視点を持ち、創造性が高いと言われることもあります。
重要なのは、子どもが左利きであることを受け入れ、その能力を最大限に引き出すサポートをすることです。

【左利きの子どもへのサポート】

左利きの子どもへ必要なサポートをおこなうことは、彼らが快適に学習したり日常生活を送る上で大切なポイントです。
例えば、左利き用のはさみや文房具を用意する、学校での机の配置を考慮するなど、小さな配慮が大きなちがいを生み出します。

また、左利きの子どもが直面するかもしれない困難について理解を深め、彼らが自分の特性をポジティブに受け入れられるよう励ますことも大切です。

まとめ

利き手は、私たちの身体的な特性だけでなく、脳の発達や個性を反映するものです。
左利きは治そうとする代わりに、子どもたちが持つ独自の能力を認識し、サポートしていけると良いかと思います。

監修:
発達支援スクール コペルプラス
代表講師 有元真紀

幼児教室コペルの講師時代から、のべ1万人以上の子どもたちの指導に携わる。
また近年は指導員の育成にも力を入れている。

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