コラム

2024.03.21

日常の困りごとは感覚特性から来るのかも? - 食事、睡眠、集団生活の困りごとを理解する

子どもたちが日常生活の中で直面するさまざまな困難や苦手なこと。
それらは単に「好き嫌い」や「性格」に起因するものではなく、「感覚特性」と深く関係しているかもしれません。
特に感覚処理の困難を抱える子どもたちは、日々の食事、睡眠、集団生活などにおいて、見えない壁にぶつかっています。
今回は、感覚特性がどのように日常の困りごとに影響を与えるのか、そしてそれにどう対応すれば良いのかを考察します。

【感覚特性とは】

感覚特性とは、個人が外界からの情報をどのように感じ、処理するかという脳の特性のことです。
視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚、前庭感覚(体のバランスや動きを感じる感覚)、固有受容感覚(体の位置や運動を感じる感覚)など、多様な感覚に対する反応が含まれます。
そして、感覚過敏や感覚過小といった特性が、子どもの日常にさまざまな影響を及ぼします。

【食事での困りごと】

食事に関する困りごとは、味覚や触覚の過敏から来ることがあります。
特定の食感や味に強い拒絶反応を示す子どもは、感覚過敏によって苦痛を感じている可能性があります。
この場合、食材の形状を変える、味を調整するといった対応が効果的です。

【睡眠での困りごと】

睡眠の問題は、特に前庭感覚や固有受容感覚の処理に関連していることがあります。
安定した体の感覚を得るためには、重い毛布を使う、就寝前にリラックスタイムを設けるなどの工夫が役立ちます。

【集団生活での困りごと】

集団生活においては、聴覚過敏が原因で騒音に対するストレスを感じる子どもがいます。
この場合、特定の活動中にイヤーマフや耳栓を使う、静かな環境を確保するなどの対策が有効です。

【対応策】

①感覚特性の理解
まず、一人ひとりの感覚特性を理解することから始めます。
専門家に相談し、子どもがどの感覚に過敏で、どの感覚が過小なのかを把握しましょう。

②環境の調整
子どもが快適に感じる環境を作ることが大切です。
例えば、光の強さを調節したり、部屋の色を穏やかなものにしたりすることで、視覚過敏を和らげることができます。

③サポートツールの利用
感覚過敏に対応するためのサポートツール(イヤーマフや重い毛布など)を利用し、子どもが日常生活をより快適に過ごせるようにします。

④感覚統合療法
療育に感覚統合を取り入れることで、子どもの感覚処理の問題を改善することが期待できます。
発達支援の専門家と協力して、子どもに合ったプログラムを検討しましょう。

⑤コミュニケーションの工夫
子どもが自分の感じていることを表現できるよう、さまざまなコミュニケーション方法を提案します。
絵カードやジェスチャーなど、言葉以外の方法も有効です。

まとめ

子どもが日常生活で直面する困難は、感覚特性に根ざしていることがしばしばあります。
食事、睡眠、集団生活などでの困りごとを感覚特性の観点から見ると、新たな気づきがあるかもしれません。
周りの大人が、一人ひとりの感覚の世界を理解し受け入れることが、子どもの自信と能力を育む上で重要です。
感覚特性に基づいたサポートをおこなうことで、子どもたちが抱える「見えない壁」を一緒に乗り越えていければと考えています。

監修:
発達支援スクール コペルプラス
代表講師 有元真紀

幼児教室コペルの講師時代から、のべ1万人以上の子どもたちの指導に携わる。
また近年は指導員の育成にも力を入れている。

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