コラム

2024.04.09
発達障害について

療育の真の目的は? - みんなと同じではなく、それぞれの輝きを

療育とは、発達に凸凹のある子どもたちが直面するさまざまな課題に対応するための支援のことを指します。
しかし、その目的は「定型発達に近づけること」ではありません。
本質的には、一人ひとりが持つ可能性を最大限に引き出し、その子なりの最良の人生を歩むためのサポートを提供することにあるのではないでしょうか。
今回は、療育の真の目的と、その過程で重視すべき点について考えてみましょう。

【療育の目的】

療育を受けることによって、できることが増えるのは確かですが、脳機能の特性を変えることはできません。
あくまで子ども本人が困らないように、生きやすいようにスキルを身に付ける場であると捉えることが大事です。
療育の本来の目的は、子どもたち自身が特性や能力を認識し、日常生活を送りやすくしたり、困り事を減らすことにあります。

【「みんなと一緒」の落とし穴】

しばしば、療育の目標が「みんなと同じようにできること」に置かれがちです。
しかし、これは必ずしも子どもたちのニーズや可能性に合致しているわけではありません。

療育は、子どものためにおこなうものです。
重要なのは、特性を無くすことではなく、一人ひとりが持つユニークな能力や興味を理解し、それを育てることです。
そのためには、個々の子どもが自分自身でいられる環境を整えることも重要だと考えています。

【個別性への重視】

療育においては、一人ひとりの子どもが直面している困難や課題、また興味や強みに注目し、個別支援計画を立てることが不可欠です。
これにより、子どもたちは自分自身のペースで成長し、自分らしい方法で学習し、能力を伸ばしていくことができます。

【家族との連携】

療育は、お子様だけではなく、ご家族全体を対象とした支援です。
子どもが多くの時間を過ごす家庭での対応方法や、親自身のためのサポートも療育の重要な部分を占めます。
コペルプラスでは、ペアレントトレーニングや相談支援にも力を入れていますので、ぜひご活用ください。

【社会との調和】

療育の最終目標は、子どもたちが社会の中で自分の居場所を見つけ、貢献できるようになることです。
これは、「みんなと同じようにできること」を目指すのではなく、脳の多様性を認め、個々のちがいを価値あるものとして受け入れる社会の実現を目指すことでもあります。

まとめ

療育は、発達に凸凹のある子どもたちの生きづらさを軽減し、自分らしく輝けるよう手助けするためにあります。
定型発達(他の多くの子ども)に焦点を当てるのではなく、お子様が持つユニークな能力や可能性を見つけ出し、それを最大限に伸ばすことが大切ではないでしょうか。
一人ひとりの個性を尊重し、その成長や生きやすさを全面的にサポートすることが、療育の真の目的だと考えます。

監修:
発達支援スクール コペルプラス
代表講師 有元真紀

幼児教室コペルの講師時代から、のべ1万人以上の子どもたちの指導に携わる。
また近年は指導員の育成にも力を入れている。

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