コラム

2024.04.23

二分脊椎とは? - 原因、症状、予防策としての葉酸摂取について

二分脊椎症は、胎児が母体内で発達している際に脊椎が正常に閉じないために起こる先天的な障害です。
神経管が完全に閉じないことにより、背骨の中にあるべき脊髄が骨の外に露出し、さまざまな症状が引き起こされることがあります。
今回は、二分脊椎の原因、症状、治療方法、そして予防策としての葉酸摂取について解説します。

【二分脊椎の原因】

二分脊椎の発生は、主に妊娠初期に神経管が正しく閉じないことによります。
神経管は胎児の脊髄と脳を形成する重要な構造で、通常は妊娠の初期段階で閉鎖されます。
この過程で何らかの異常が起きると、神経組織が露出するなどの重篤な状態に至ることがあります。
発生原因は完全には解明されていませんが、遺伝的要因と環境的要因の両方が関与していると考えられています。

【症状と健康への影響】

二分脊椎の症状は、患部の位置や障害の範囲によって異なります。
軽度の場合は外見上の変化がほとんどなく、重度の場合は以下のような症状が見られます。

・下半身の麻痺や感覚の低下
・歩行困難などの運動障害
・膀胱や腸の機能障害
・脳の機能障害を伴うこともある

【治療法】

二分脊椎の治療は、症状の重症度に応じて異なります。
重度の場合、生後すぐに手術をおこない、脊椎を修復することが一般的です。
手術は神経損傷を最小限に抑え、機能障害の進行を防ぐために重要です。
また、物理療法や補助具の使用など、患者さんの身体機能をサポートするための治療が継続的におこなわれます。

【葉酸による予防策】

多くの研究により、妊娠初期に葉酸を適切に摂取することが、二分脊椎を含む神経管欠損症のリスクを著しく減少させることが示されています。
葉酸はビタミンB群の一部で、細胞の成長とDNAの合成に不可欠な栄養素です。
妊娠を計画している女性は、特に妊娠前から妊娠初期にかけて、1日に400マイクログラムの葉酸を摂取することが推奨されています。
緑黄色野菜、豆類、全粒穀物など、自然な食品源からも積極的に取り入れることが望ましいですが、サプリメントを通じて摂取することも可能です。

まとめ

二分脊椎はその発生原因が完全には解明されていないものの、適切な予防策によってリスクを減らすことが可能と言われます。
特に葉酸の摂取は、この先天性障害の予防に有効であり、妊娠を考えている女性にとっては必須の対策とされています。
この知識が広まることで、未来の子どもたちがより健康で充実した生活を送れるようにと願っています。

監修:
発達支援スクール コペルプラス
代表講師 有元真紀

幼児教室コペルの講師時代から、のべ1万人以上の子どもたちの指導に携わる。
また近年は指導員の育成にも力を入れている。

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