コラム

2024.06.22

ナルコレプシーとは? 日中に突然激しい眠気に襲われる?

ナルコレプシーは、日常生活に支障をきたすほどの強い眠気に襲われる睡眠障害です。
日本では約600人に1人がナルコレプシーと診断されています。
15歳前後に発症することが多く、男女間での差はあまり見られません。
患者さんは活動中に突然眠りに落ちてしまうことがあるため、日常生活に大きな影響を及ぼします。
今回は、ナルコレプシーの症状、原因、治療法、そしてADHD(注意欠如多動症)との関連について解説します。

【ナルコレプシーの症状】

ナルコレプシーの主な症状は、以下の通りです。

・日中の過度な眠気
日中に極度の眠気を感じ、活動中にも関わらず突然眠ってしまうことがあります。
この眠気は制御が難しく、数秒から数分間の短い睡眠発作が繰り返されることもあります。

・情動脱力発作(カタプレキシー)
感情が高ぶったときに突然筋肉の力が抜ける現象です。
笑いや怒り、驚きなどの感情により引き起こされ、数秒から数分続くことがあります。
重度の場合、全身が脱力して倒れることもあります。

・入眠時幻覚
眠りに落ちる直前や目覚める直前に、非常に現実的で鮮明な幻覚を体験することがあります。
この幻覚はしばしば患者さんに強い恐怖感を与えることがあります。

・睡眠麻痺
目覚めたときや入眠時に体が一時的に動かなくなる現象です。
意識はあるのに体が動かせないため、非常に不安を感じることがあります。

【ナルコレプシーの原因】

ナルコレプシーの正確な原因は完全には解明されていませんが、以下の要因が関与しているのではないかと考えられています。

・オレキシンの欠乏
オレキシンという神経伝達物質の欠乏が主要な原因とされています。
オレキシンは覚醒を維持する役割を果たしており、その欠乏が睡眠発作や過度な眠気を引き起こすようです。

・遺伝的要因
ナルコレプシーは家族内で発症することがあり、遺伝的な要因や特定の遺伝子変異が関与しているとされています。

・自己免疫反応
自己免疫反応がオレキシンを分泌する細胞を攻撃することも一因と考えられています。
感染症やストレスが引き金となることもあるようです。

【ナルコレプシーの治療法】

ナルコレプシーの治療は、症状を管理し、生活の質を向上させることを目的としており、主な治療法は以下の通りです。

①生活習慣の改善
まず、規則正しい睡眠習慣を維持することが重要です。
毎日同じ時間に寝起きし、日中に短い昼寝を取ることで、眠気を管理しやすくなります。
就寝前のブルーライトカットや、カフェインの摂取を控えることで、睡眠の質を改善することも有効です。

②薬物療法
・覚醒促進薬: 日中の眠気を軽減するために使用されます。
・抗カタプレキシー薬: 情動脱力発作を抑えるために、抗うつ薬が使用されることがあります。
・短時間作用型睡眠薬: 入眠時幻覚や睡眠麻痺に対する治療として、短時間作用型の睡眠薬が処方されることがあります。

③心理的サポート
ナルコレプシーは心理的なストレスを引き起こすことが多いため、カウンセリングや心理療法が役立ちます。
患者さんが症状に対処するためのスキルを身につけることも、ストレスの軽減につながります。

【ナルコレプシーとADHDとの関連】

ナルコレプシーとADHD(注意欠如多動症)は、共に注意力や集中力に問題を抱える疾患であり、一部の症状が重なることがあります。
しかし、それぞれの原因や治療法は異なるので注意が必要です。

・症状の重複
ナルコレプシーの患者さんは、過度な眠気によって注意力や集中力が低下し、ADHDのような症状を示すことがあります。
逆に、ADHDの患者さんも睡眠の質が悪く、日中の眠気を感じることがよくあります。

・診断の難しさ
ナルコレプシーとADHDは、共に診断が難しい疾患と言われます。
特に子どもの場合、過度な眠気や注意欠如がどちらの疾患によるものかを判断するのは容易ではありません。
専門的な診断と評価が必要です。

・治療のちがい
ナルコレプシーの治療は主に覚醒促進薬や抗カタプレキシー薬を使用しますが、ADHDの治療には主に中枢神経刺激薬が用いられます。
したがって、適格な診断に基づく治療が重要です。

まとめ

ナルコレプシーは、日中の過度な眠気や情動脱力発作などの症状を特徴とする睡眠障害であり、オレキシンの欠乏や遺伝的要因、自己免疫反応が原因とされています。
一方、ナルコレプシーとADHDは、一部の症状が重なることがあり、診断が難しいこともあります。
適切な診断と治療が重要なため、専門的な医師のサポートが必要不可欠です。

監修:
発達支援スクール コペルプラス
代表講師 有元真紀

幼児教室コペルの講師時代から、のべ1万人以上の子どもたちの指導に携わる。
また近年は指導員の育成にも力を入れている。

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