コラム

2024.06.26

統合失調症とは? 日本で約1%の人が生涯に一度は経験する病気?

統合失調症は、精神疾患の一つであり、その影響は患者さんの思考、感情、行動に及びます。
日本では約1%の人が生涯に一度は統合失調症を経験するとされていますが、その理解はまだ不十分なことが多いです。
そこで今回は、統合失調症の症状や特徴、原因、治療法、そして使用される薬について、わかりやすく解説します。

【統合失調症の症状と特徴】

統合失調症の症状は大きく分けて「陽性症状」と「陰性症状」の二つに分類されます。

〈陽性症状〉
・幻覚
特に聴覚幻覚が一般的で、存在しない声が聞こえることがあります。

・妄想
現実にはありえない考えを信じ込むことがあります。
被害妄想や誇大妄想が典型的です。

・思考障害
思考の流れが乱れ、話がまとまりにくくなることがあります。
話の内容が飛躍したり、一貫性がなくなったりすることがあります。

・興奮状態
不安感や緊張感が高まり、行動が落ち着かないことがあります。

〈陰性症状〉
・意欲の低下
活動意欲が減少し、日常生活に必要な行動ができなくなることがあります。

・感情の平板化
感情の表現が乏しくなり、喜びや悲しみの感情が減少します。

・社会的引きこもり
他人との関わりを避けるようになり、孤立することがあります。

・思考の貧困
考えや話の内容が乏しくなり、自分の意見やアイディアが出にくくなります。

【統合失調症の原因】

統合失調症の原因は完全には解明されていませんが、以下のような要因が複合的に関与していると考えられています。

・遺伝的要因
家族に統合失調症を持つ人がいる場合、発症リスクが高まることが知られています。
しかし、遺伝だけで統合失調症が発症するわけではなく、複数の遺伝子が関与していると考えられています。

・脳の異常
脳の構造や機能の異常が統合失調症の原因と関連していることが示唆されています。
特に、ドーパミンなどの神経伝達物質の異常が影響していると考えられています。

・環境的要因
ストレスやトラウマ、出生前の感染症、妊娠中の栄養不足など、環境的な要因も統合失調症の発症リスクを高めることがあります。

【統合失調症の治療法】

統合失調症の治療は、薬物療法と心理社会的療法の組み合わせが基本となります。

①薬物療法

・抗精神病薬
統合失調症の治療において最も一般的に使用される薬です。
陽性症状の軽減に効果があり、第一世代と第二世代の抗精神病薬があります。

・副作用の管理
抗精神病薬には副作用があり、特に第一世代の薬ではパーキンソン症状や体重増加、糖尿病のリスクが高まることがあります。
定期的な医師の診察と薬の調整が必要です。

②心理社会的療法

・認知行動療法
統合失調症の患者さんが現実と幻覚や妄想を区別しやすくするための支援をおこないます。
ストレスに対処し、再発を防ぐためのスキルを学ぶことにも役立ちます。

・家族療法
家族が統合失調症について理解を深め、患者さんを支援するための方法を学ぶことで、家庭内のストレスを減らし、再発のリスクを低減させます。

・リハビリテーション
社会復帰を目指し、職業訓練や日常生活のスキルを向上させるためのプログラムです。
患者さんが自立して生活できるようサポートします。

【統合失調症の関連病気】

統合失調症は、他の精神疾患や身体的健康問題と関連していることが多いと言われます。
以下に、関連する病気を紹介します。

・うつ病
統合失調症の患者さんはうつ病を併発するリスクが高いです。
気分の落ち込みや意欲の低下が見られます。

・不安障害
統合失調症の患者さんは、不安やパニック発作を経験することがあります。
これが病状をさらに悪化させることがあります。

・薬物乱用
統合失調症の患者さんは、アルコールや薬物の乱用リスクが高いため注意が必要です。

・身体的健康問題
統合失調症は心血管疾患や糖尿病などの身体的健康問題と関連しており、これが寿命を短縮させる要因となることがあります。

まとめ

統合失調症は、思考、感情、行動に影響を与える精神疾患であり、適切な治療とサポートが必要不可欠です。
薬物療法と心理社会的療法を組み合わせることで、患者さんは症状を管理し、社会復帰を目指すことができます。
家族や周囲の人たちが、統合失調症について理解を深め支えていくことが回復にとって重要です。

監修:
発達支援スクール コペルプラス
代表講師 有元真紀

幼児教室コペルの講師時代から、のべ1万人以上の子どもたちの指導に携わる。
また近年は指導員の育成にも力を入れている。

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