コラム

2024.07.26
発達障害について

食事に時間がかかるのは、発達障害の特性が理由?それとも?

食べるのがゆっくりな子どもを持つ親にとっては、食事の時間が毎日の悩みの種になることがあります。
特に発達障害のある子どもは、食事に時間がかかることが顕著になるケースがあります。
今回は、食事に時間がかかる理由と、その対策について考えてみましょう。

【発達障害の特性が関係する場合】

発達障害には、さまざまな特性があり、それが食事の時間に影響を及ぼすことがあります。
以下はその一例です。

・感覚過敏
発達障害のある子どもたちは、感覚過敏を持っていることがあります。
口の中(食べ物の味、匂い、食感などに対して)も敏感であり、これが食事の時間を長引かせる原因となります。
特定の食感や匂いが苦手であったりすると、一口食べるのにとても時間がかかってしまいます。

・注意欠陥多動性障害(ADHD)
ADHDの特性として、集中力が持続しにくいことがあります。
食事の途中で気が散ったり、他のことに興味を持ったりすることで、食べることに集中できず、結果として時間がかかることがあります。

・自閉症スペクトラム(ASD)
ASDの子どもは、食事のルーティンや食べ物の配置にこだわりを持つことがあり、それが食事時間を長引かせる要因となります。
また、食事の順番や食べ方に独自のルールがあることもあります。

・運動能力の発達遅滞
発達障害の一部の子どもは、口や手の運動能力の発達が遅れていることがあります。
例えば、噛む力が弱かったり、フォークやスプーンの使い方が不器用だったりすると、食事に時間がかかります。

【発達障害以外の可能性】

もちろん、発達障害以外にも食事に時間がかかる理由はたくさんあります。

・興味・関心の薄さ
子どもが食べ物に対してあまり興味を示さない場合、食事が遅くなることがあります。
食事が楽しくないと感じると、食べること自体が遅くなります。

・食べ物の好き嫌い
食べ物の好き嫌いが多いと、食事に時間がかかることがあります。
嫌いな食べ物を避けたり、食べるのを渋ったりすることで、食事のペースが遅くなるためです。

・食欲不振
体調不良や疲れが原因で、食欲が低下していることもあります。
この場合、無理に食べさせようとすると逆効果になることが多いです。

・環境の影響
食事の環境も大きな影響を与えます。
例えば、テレビがついていたり、おもちゃが近くにあると、そちらに気を取られて食事が進まないことがあります。
食事の時間が楽しくないと感じる環境も原因となります。

【対応策】

では、具体的にどのように対応すればよいのでしょうか。
いくつかの方法をご紹介します。

①プレッシャーをかけない
まず大切なのが、親が焦ったりイライラしないということです。
子どもが食事に時間がかかることに対して、プレッシャーを与えるのは避けましょう。
無理に早く食べさせようとすると、逆にストレスが増えてしまいます。

②食事を楽しくする
食事の時間を楽しいものにするために、家族で一緒に食べることができると良いですね。
食べ物の形や色を工夫することが効果的な場合もあります。
季節やイベントに応じたメニューにしたり、子どもが興味を持つような工夫を取り入れてみましょう。

③感覚過敏への配慮
感覚過敏が原因の場合、子どもが好む食材や食感を見つけることが重要です。
子どもが好きな味や食べやすい食感のものを提供することで、食事に対する抵抗感を減らすことができます。
徐々に新しい食材を試してみることでバリエーションを増やし、食事の幅を広げていきましょう。

④集中力を保つ工夫
食事中に集中力を保つためには、食事の環境を整えることが大切です。
テレビやスマホを避け、静かで集中できる環境を作りましょう。
また、短い時間で食事を終えることを目指し、終わりの時間を設定することが効果的な場合もあります。

⑤ルーティンの見直し
ルーティンが原因で食事に時間がかかる場合は、そのルーティンを見直すことが必要です。
食事の手順を簡略化し、柔軟に対応できるようにすると良いかと思います。

⑥成功体験を増やす
一度にたくさんの量を提供するのではなく、少量ずつ提供することで、子どもが完食する達成感を得やすくなります。
食事の途中で一品完食できたことをほめるのも有効です。
少しでも食べられたら、大いにほめて成功体験を増やしましょう。
自信をつけさせることで、次の食事への意欲も高まります。

まとめ

食事に時間がかかる理由はさまざまですが、発達障害の特性が関与している場合も少なくありません。
親としては、子どもが食事に時間がかかることに対して焦らず、温かく見守る姿勢が重要です。
食事の時間を楽しいものにし、成功体験を積み重ねることで、少しずつ改善していきましょう。

監修:
発達支援スクール コペルプラス
代表講師 有元真紀

幼児教室コペルの講師時代から、のべ1万人以上の子どもたちの指導に携わる。
また近年は指導員の育成にも力を入れている。

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