コラム

2024.10.21
発達障害について

ADHDの子どもが学校からのプリントを忘れる…家庭でできるサポート方法は?

ADHD(注意欠如・多動性障害)の特性を持つ子どもは、学校からもらったプリントを忘れてきたり、ランドセルの奥でぐちゃぐちゃにしてしまったりすることがよくあります。
これはADHDの子どもが抱える特有の「ワーキングメモリの弱さ」や「計画性の欠如」などが影響しているため、単に「ちゃんと出して」と叱るだけでは解決しません。

では、家庭でどのようにサポートすれば、このような問題を改善できるのでしょうか。
今回は、ADHDの子どもがプリントをきちんと管理できるようになるための具体的なサポート方法をご紹介します。

1. 視覚的なルールを作る

ADHDの子どもは、視覚的に見えるものに対して注意を向けやすい特性があります。 プリントを忘れずに持ち帰るためには、視覚的なルールを作ることが効果的です。

例えば、学校の机の横のフックにプリント入れフォルダーを用意し、「学校でもらったプリントは必ずここに入れる」と視覚でわかる仕組みを作ります。
そして、帰りに必ずそのフォルダーをランドセルに入れるというルールにします。
担任の先生にも協力をお願いして、下校前にファイルをランドセルに入れたか声掛けしてもらえると安心です。

また、家でも「帰ってきたらランドセルを開けてフォルダーを出す」という一連の行動を、わかりやすく目で見て理解できるように、イラストや写真で示しておき、習慣化をサポートします。

2. 一度に処理する情報を少なくする

ADHDの子どもは、複数の情報を同時に処理することが苦手です。
プリントを受け取る時に、ほかの課題や友達とのやりとり、教室の騒がしさなど多くの刺激が同時に押し寄せると、気が散ってしまいがちです。
そのため、担任の先生に協力をお願いして、できるだけ少ない情報量で指示をしてもらうのも一つの方法です。

例えば、「プリントは他のものと一緒に配らないで、単独で渡してもらう」といった対応をお願いすると、子どもがそれだけに集中できるようになります。
また、担任の先生と連携を取ることで、家でのフォローもしやすくなるでしょう。

3. 帰宅後のルーティンを決める

ADHDの子どもにとって、ルーティン化された行動は非常に有効です。
毎日決まった手順を繰り返すことで、自然と行動が定着しやすくなります。
プリント管理についても、「帰宅したらランドセルを開けて、プリントフォルダーをここに出す」というルーティンを確立しましょう。

また、できたときにはその都度ほめてあげることも大切です。
小さな成功体験を積み重ねることで、子どもは「できた!」という達成感を味わい、自信を持って次の行動にも取り組めるようになります。

4. 週に一度、ランドセルの中を整理する時間を作る

ADHDの子どもは、一度ランドセルや机の中が散らかってしまうと、整理するのが苦手です。
気がつくとプリントや教科書がぐちゃぐちゃになってしまうことも多いでしょう。
これを防ぐために、週に一度、家族で一緒にランドセルの中を整理する時間を設けるのも効果的です。

例えば、週末の決まった時間に「ランドセル整理タイム」を設け、子どもと一緒に中身を全部出して整理します。
この時も、ただ「片付けなさい」と言うのではなく、一緒に楽しくおこなうことが大切です。
整理が終わったらシールを貼ってカレンダーに記録するなど、楽しみながら習慣づけられると良いですね。

5. 忘れ物チェックを習慣化する

忘れ物が多いADHDの子どもには、チェックリストや目立つメモを使って視覚的なリマインダーを活用する方法が効果的です。

例えば、玄関のドアに「今日の持ち物リスト」を貼り、出かける前に確認できるようにしたり、プリントを忘れないためにランドセルに目立つメモを貼るなどして、チェックを習慣づけると良いでしょう。
最初のうちは、親が一緒に確認してあげる必要がありますが、少しずつ子どもが自分でリストを見て確認できるようにサポートしていくことが目標です。

6. 自己管理能力を育てるための長期的な視点

ADHDの子どもが物を忘れたり、プリントをぐちゃぐちゃにしたりするのは、成長過程の一部です。
すぐに完璧に改善することを求めるのではなく、少しずつできることを増やしていく長期的な視点でサポートしていくことが大切です。

家庭でのサポートを通じて、少しずつ自己管理能力を身につけられるように励まし、成功体験を積ませることで、子どもは自分に自信を持てるようになります。
そして、最終的には自分で忘れ物をしないように工夫し、プリントを管理できる力を身につけられるようになるでしょう。

まとめ

ADHDの子どもがプリントを忘れるのは、単にだらしないわけではなく、脳の特性からくるものです。
親としてはイライラしてしまうこともあるかもしれませんが、子どもの特性を理解し、その子に合ったサポートを取り入れることで、少しずつ改善していくことができます。

大切なのは、失敗を責めず、できたことをほめて成功体験を積ませることです。
長期的な視点で、少しずつ自己管理能力を身につけられるようサポートしていきましょう。

監修:
発達支援スクール コペルプラス
代表講師 有元真紀

幼児教室コペルの講師時代から、のべ1万人以上の子どもたちの指導に携わる。
また近年は指導員の育成にも力を入れている。

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