2024.11.01
幼児期の発達
最後までやり抜く力が高い子に育てるには? 前頭前皮質を鍛えることが鍵!?
「最後までやり抜く力」、いわゆる「グリット(Grit)」という言葉を耳にしたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
この力は、目標に向かって粘り強く努力を続けることを指し、子どもの将来の成功に大きく関わるものです。
では、どうすればこの「やり抜く力」を育てられるのでしょうか。 その答えの一つに、前頭前皮質(ぜんとうぜんひしつ)という脳の部分を鍛えることが有効だという研究があります。
今回は、このやり抜く力の重要性と、前頭前皮質をどのように発達させるかについて、わかりやすくお伝えします。
【やり抜く力とは】
「やり抜く力」は、何かを始めたら途中で諦めず、困難や失敗に直面しても目標に向かって粘り強く努力し続ける力です。この力が強い人は、途中で投げ出すことなく、挑戦を続けて成功に近づいていきます。
例えば、スポーツ選手が毎日厳しい練習に耐え、長期間にわたって努力を続けることで成果を出すことや、勉強を苦手に感じてもあきらめずに頑張り、少しずつ成績を向上させていくことなどが、「やり抜く力」を発揮する例です。
この力を持っている子どもは、将来的にどんな分野に進んでも、困難を乗り越え、成功する可能性が高まると言います。
【前頭前皮質とは】
前頭前皮質は、脳の前の部分に位置し、計画を立てたり、注意を集中させたり、感情をコントロールしたりする役割を担っています。この部分が発達することで、子どもは集中力や自己制御能力が向上し、何かを達成するための行動をコントロールできるようになります。
つまり、前頭前皮質の発達は「やり抜く力」を育てるために非常に重要ということです。
【前頭前皮質を鍛えるための具体的な方法】
では、どのようにして前頭前皮質を鍛え、子どものやり抜く力を育てることができるのでしょうか。以下に、家庭でできる具体的な方法をいくつかご紹介します。
1. 簡単なチャレンジから始める
小さな成功体験を積むことが、子どものやる気を引き出す第一歩です。大きな目標ではなく、最初は小さな目標を設定し、それを達成できるようにサポートしましょう。
例えば、パズルを完成させることや、簡単な家の手伝いをしてもらうことなどが良いでしょう。
達成感を味わうことで、「やり遂げることは楽しい」という感覚を育むことができます。
2. 感情のコントロールを教える
前頭前皮質は感情のコントロールにも深く関わっています。子どもが何かに挫折した時や、思うようにいかない時、感情的になるのは自然なことですが、その感情をどう処理するかが重要です。
子どもがイライラしたり、怒ったりした時には、深呼吸をすることや少し休憩を取ることなど、気持ちを落ち着かせる方法を教えてあげましょう。
「今、イライラしているね。深呼吸して落ち着こうか」といった具合に、子どもの感情を認めつつ、感情をコントロールする練習を繰り返すことが大切です。
3. 自由な遊びを取り入れる
自由な遊びは、子どもの想像力を豊かにし、自己制御力を高める効果があります。自由にブロックを組み立てたり、絵を描いたりすることで、子どもは自分自身で問題を解決し、何かを作り上げる達成感を味わいます。
このような遊びを通じて、やり抜く力が少しずつ身についていくのです。
また、自由な遊びは創造性も育て、柔軟な思考を促進します。
これにより、予期しない問題が発生しても、それに対処する方法を自分で考え出す力も身につけられます。
4. 結果よりもプロセスをほめる
子どもの努力をほめるときには、結果だけでなく、努力の過程を評価しましょう。「テストで100点を取れてすごい!」といった評価よりも、「毎日頑張って勉強できたね!」といった声かけが効果的です。
プロセスをほめることで、子どもは結果だけに囚われず、努力すること自体を大切にするようになります。
5. 少しの失敗を経験させる
失敗から学ぶことも、やり抜く力を育てる上で重要な要素です。子どもが困難な課題に挑戦して失敗しても、それが経験として蓄積され、次の挑戦に向けた力となります。
失敗を恐れず、「失敗してもいいから、またチャレンジしよう」という姿勢を示すことが大切です。
6. 親自身がやり抜く姿を見せる
親自身が物事をやり遂げる姿勢を見せることも、子どものやり抜く力を育てるためには効果的です。例えば、家事や仕事で困難な状況に直面した時に、どうやって問題を乗り越えるかを子どもに見せることで、子どもは「難しいことも乗り越えられるんだ」と理解します。
親の姿勢が、子どもにとって最も身近で強いお手本となるのです。
まとめ
やり抜く力は、将来の成功に欠かせない重要なスキルです。前頭前皮質の発達をサポートし、感情のコントロールや計画を立てる力を育むことで、子どもは困難に負けずに挑戦し続ける力を身につけていきます。
子どもの成長を見守りながら、小さな成功体験を積ませ、結果よりもプロセスをほめ、失敗を恐れない環境を整えてあげることが大切です。
未来に向かって強く生きる子どもを育てるために、ぜひこういったの方法も日々の育児に取り入れてみてくださいね。

監修:
発達支援スクール コペルプラス
代表講師 有元真紀
幼児教室コペルの講師時代から、のべ1万人以上の子どもたちの指導に携わる。
また近年は指導員の育成にも力を入れている。
