コラム

2025.04.15
発達障害について

発達障害の子の約30%が境界知能 - どんな困難があり、どんな支援が受けられる?

発達障害のある子どもたちの中には、「境界知能」と診断される割合が高いことが知られています。
境界知能とは、知能指数(IQ)が70~85程度で、平均的な知能と知的障害の間に位置する状態を指します。

発達障害の子のおよそ30%に当たると言われており、学習や社会生活において特有の困難を抱えることがあります。
今回は、境界知能の子どもたちが直面する課題と、そのサポート方法について解説します。

【境界知能とは?発達障害との関係性】

境界知能は、知的障害の基準となるIQ70未満には達していないものの、一般的な知能の範囲(IQ85以上)にも含まれない状態です。
このため、学習や日常生活において「できること」と「できないこと」の差が顕著に出やすくなります。
発達障害を持つ子どもの中では、境界知能が見られるケースが特に多いとされ、以下のような特徴が見られることがあります。

・学習の遅れ
学校の授業についていくことが難しく、復習や個別の支援が必要になることが多い。

・社会性の困難
周囲の空気を読むことが苦手で、友人関係のトラブルが起こりやすい。

・臨機応変な行動が苦手
臨機応変に行動するのが苦手で、突発的な出来事に柔軟に対応できないことがある。

【境界知能の子どもが抱えやすい困難は?】

1. 学校生活でのつまずき

境界知能の子どもは、教室のペースに合わせるのが難しい場合があります。
例えば、漢字の書き取りや計算など、反復練習が必要な学習においてつまずくことが多いです。
また、理解が遅れることで自信を喪失し、学ぶ意欲が低下することもあります。

2. 社会性の課題

グループでの活動や友達づくりが難しいことがあります。
境界知能の子どもは、他者の気持ちや暗黙のルールを理解するのが苦手なことがあり、その結果、孤立してしまうことがあります。

3. 自己管理能力の低さ

時間や物の管理、タスクの優先順位付けが難しいことが多く、自立した生活を送るのに苦労する場合があります。
このため、家庭でも親のサポートが不可欠になるケースが少なくありません。

【境界知能の子どもが受けられる支援は?】

境界知能の子どもたちは、さまざまな支援を受けることで困難を軽減し、より充実した生活を送ることが可能です。

①学校での支援

・通級指導教室
普通級に通いながら、特定の教科やスキルについて、個別にサポートを受けることができる教室です。

・個別の指導計画(IEP)
子どもの特性に合わせた学習計画を立て、親や教師と協力して取り組む方法です。

②発達支援スクールでの支援

児童発達支援や放課後等デイサービスでは、社会性や自己管理能力を高めるトレーニングを受けることができます。
また、感覚統合や生活スキルトレーニングなど、子ども一人ひとりの課題に応じたプログラムが提供されます。

③専門機関での診断と療育

心理士や発達障害専門医による診断を受けることで、その子に合った療育を開始できます。
早期に診断を受けることで、将来の困難を軽減することが期待できます。

【家庭でできるサポートの工夫】

ご家庭でできる支援としては、以下のような取り組みが効果的です。

①小さな成功体験を積む

子どもが達成できる目標を設定し、自信をつけさせることが重要です。
例えば、短い時間で取り組める課題や得意なことを見つけて伸ばす工夫が役立ちます。

②視覚的なサポートを活用する

時間やタスクを管理する際には、視覚的なタイマーやチェックリストを使うとわかりやすくなります。
③ポジティブな言葉がけ 否定的な言葉よりも、努力をほめたり、前向きな言葉をかけることで、子どもの自己肯定感を育てましょう。

まとめ

発達障害のある子どもたちの約30%が、IQが70〜84の「境界知能」、いわゆる「知的ボーダー」であるというデータがあります。
こうした子どもたちは特有の困難を抱えていることが多いですが、周囲の理解と適切な支援を受けることで、困難を緩和し、可能性を広げていくことができます。

社会の方が歩み寄る姿勢も大切ではないでしょうか。
ご家庭や学校、地域が協力し、子どもたちに合った環境を整えることが、境界知能の子どもたちの未来を明るくする鍵となるはずです。

監修:
発達支援スクール コペルプラス
代表講師 有元真紀

幼児教室コペルの講師時代から、のべ1万人以上の子どもたちの指導に携わる。
また近年は指導員の育成にも力を入れている。

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