コラム

2025.04.29
発達障害について

発達障害の子どもが見せる「試し行動」とは?

発達障害のある子どもが見せる行動のひとつに、「試し行動」と呼ばれるものがあります。
周囲の大人にとっては「なんでこんなことをするの?」と悩んでしまう行動ですが、これには明確な理由がある場合が多いです。

今回は、試し行動の具体例や背景にある要因、どのように対応すれば良いかについて解説します。

【試し行動とは?】

試し行動とは、子どもがあえてルールや期待を破るような行動をとり、大人がどのように反応するかを観察する行動のことを指します。
具体的には、以下のような行動が挙げられます。

・親が「やってはいけない」と言ったことをわざとする
・わざと他の子を叩いたり、物を壊したりする
・注意された後に、再び同じ行動を繰り返す

このような行動は、一見すると「悪意がある」ようにも見えますが、実は子どもが内面的な不安や欲求を表現していることが多いのです。

【発達障害のある子どもに多い理由】

試し行動は、発達障害のある子どもに特に見られやすい行動のひとつです。
その背景には、以下のような特性や状況が関係しています。

①安心感がほしい

発達障害のある子どもは、不安を感じやすい傾向があります。
特に、身近な大人との関係性に不安を抱くと、「この人は本当に自分を愛してくれるのか」「どんなことをしても受け入れてくれるのか」を確認しようとする行動が現れます。

②境界線を確認したい

発達障害の特性として、ルールや境界線を理解するのが難しい場合があります。
そのため、「どこまで許されるのか」「どんな行動が正しいのか」を確認するために試し行動をとることがあります。

③相手の反応が見たい

脳機能に特性がある場合、自分の行動がどのように相手に影響するのかを理解しにくいことがあります。
その結果、相手の反応を引き出そうとする行動が試し行動として現れることがあります。

④注意を引きたい

他者とのコミュニケーションが苦手な子どもは、直接的な方法ではなく試し行動を通じて「自分を見てほしい」「かまってほしい」というメッセージを発信することがあります。

【試し行動にどう向き合うべきか】

試し行動を受け止めるのは、簡単ではありません。
ですが、以下のポイントを意識することで、子どもとより良い関係を築きやすくなります。

1. 感情ではなく原因を見つめる

試し行動があったとき、感情的になって叱るのではなく、「なぜこの行動をとったのか」を考えることが大切です。
子どもが不安や混乱を抱えている場合、その根本的な原因に気づくことが解決への第一歩です。

2. 一貫性のある対応を心がける

親が対応をコロコロ変えてしまうと、子どもはさらに不安を感じることがあります。
「ダメなものはダメ」と、一貫した態度で対応しましょう。

3. 肯定的な接し方を意識する

試し行動を責めるだけでは、子どもは安心感を得られません。
「あなたがここにいてくれるだけで嬉しいよ」という気持ちを伝えることで、子どもの不安を和らげることができます。

4. 小さな成功体験を積ませる

試し行動が出る背景には「できないことへの不安」も関係している場合があります。
子どもが「できた!」と思える経験を積ませることで、自信を育むことができます。

【専門家の力を借りることも大切】

試し行動が長期化したり、親だけでは対応が難しい場合には、発達支援センターや児童発達支援スクールなどの専門機関を利用することを検討しましょう。
専門家が関わることで、子どもに適した支援方法を見つけやすくなります。

【試し行動は成長のためのサイン】

試し行動は、子どもが周囲との関係を模索したり、自分の気持ちを表現したりするための手段です。
決して「悪い子」だから起きるものではありません。

大人が冷静に受け止め、適切にサポートすることで、子どもは少しずつ安心感を得て、自分自身をよりうまく表現できるようになります。
親も子どもも無理をしすぎず、必要に応じて専門家の力を借りながら、一緒に前進していきましょう。

監修:
発達支援スクール コペルプラス
代表講師 有元真紀

幼児教室コペルの講師時代から、のべ1万人以上の子どもたちの指導に携わる。
また近年は指導員の育成にも力を入れている。

無料体験レッスン お問い合わせ / 資料請求