発達障害はなぜ生まれる? 遺伝との関係は?
多くの保護者様や教育関係者が、子どもたちの発達の過程で一度は考える問題、それは「発達障害の原因は何か?」ということです。
また、遺伝は発達障害とどのような関係があるのでしょうか?
今回は、これらの疑問に答え、発達障害の成因と遺伝の関わりについて探っていきます。
発達障害は、生まれつきの脳機能の発達の特性です。
脳のある部分が典型的な発達とは異なるペースやかたちで成長することから、学びやコミュニケーションなどに独自の特性が現れます。
なぜ脳機能の発達に偏りが起こるのか、科学的な理解はまだ完全ではありませんが、以下の要因が関わっている可能性があると考えられています。
①遺伝的要因
発達障害には遺伝が関わっている可能性が指摘されており、家族歴がある場合、出現する割合が高まるという見解があります。
特定の遺伝子変異も発達障害の一因と考えられています。
②生物学的要因
出産時の酸欠や早産、低体重などが原因の一部となることがあると考えられています。
③環境的要因
妊娠中の母親の生活習慣やストレス、薬物やアルコール摂取、感染症、栄養不足など、環境要因が影響を及ぼす可能性も指摘されています。
発達障害の原因は、「多因性の理論」が用いられることが多く、遺伝子と環境が相互に作用し合うことが、発達障害の出現率を高めると考えられています。
つまり、遺伝と環境が複雑に絡み合った結果として現れる可能性があるということです。
環境は遺伝的要因の影響を強めたり、逆に和らげたりする役割を持っています。
この相互作用により、同じ遺伝的背景を持つ人でも、発達障害の症状や程度の出方は多種多様になります。
近年、遺伝子の解析技術が進展し、多くの遺伝子変異が発達障害と関連していることが明らかにされてきました。
しかし、それらの遺伝子変異がどのようにして発達障害を引き起こすのか、そのメカニズムの解明は今後の研究課題となっています。
発達障害の原因を探ることは、多くの可能性と変数を考慮する必要があります。
遺伝と環境が複雑に絡み合い、ユニークな発達パターンを生み出しているのです。
発達障害の子どもたち一人ひとりの背後には、それぞれ異なるストーリーとプロセスがあります。
私たちは総合的な視点からお子様を理解し、適切な支援をおこなっていくことが重要だと考えています。

監修:
発達支援スクール コペルプラス
代表講師 有元真紀
幼児教室コペルの講師時代から、のべ1万人以上の子どもたちの指導に携わる。
また近年は指導員の育成にも力を入れている。
