2024.04.06
発達障害について
できていたことができなくなる「後退」とは?
自閉症スペクトラム(以下:ASD)を持つ子どもたちの中には、以前できていたことができなくなる「後退」を経験する子がいます。
この現象は、保護者様にとって驚きや不安を感じるかもしれませんが、ASDの子どもたちにおいては比較的一般的な現象とされています。
今回は、ASDにおける発達の後退の理由、それが示すもの、そして家族や支援者がどのように対応すれば良いかについて探ります。
【発達の後退とは?】
発達の後退は、子どもが言語能力、社会的スキル、生活スキルなど、以前は習得していた能力を失う現象を指します。例えば、単語を話していた子どもが突然話さなくなる、社会的な相互作用を楽しんでいた子どもが人との接触を避けるようになるなどです。
【後退の原因】
ASDにおける後退の正確な原因は未だ解明されていませんが、いくつかの理論が提唱されています。ストレス、環境の変化、感覚過敏、さらには発達のプロセス自体が影響を与える可能性があるとも言われます。
また、神経学的な変化や、子どもが新しいスキルを学ぶ過程で一時的に以前のスキルを使わなくなることも、後退の一因と考えられています。
【後退が示すもの】
発達の後退は、ASDの子どもたちに特有のものであり、必ずしも症状の悪化を意味するわけではありません。多くの場合、後退は一時的なもので、その子に合ったサポートによって再びスキルを獲得することが可能です。
しかし、後退が見られる場合には、子どもが何らかのストレスや不安を感じている可能性があるため、その原因を理解し、対処することが求められます。
【対応策】
子どもが後退を示した場合は、専門家による詳細な評価が必要です。これにより、後退の原因となっている可能性のある要因を特定し、適切な支援計画を立てることができます。
子どものニーズに合わせた個別支援計画を用いて、失われたスキルの再習得を目指しましょう。
また、子どもが安心して学び、成長できるように、安定した環境を整えることも重要です。
日常生活のルーティンや周りの大人の一貫した対応が、子どもにとって予測可能性と安心感をもたらします。
まとめ
ASDの子どもたちにおける発達の後退は、ご家族にとって不安な時期でもありますが、理解と適切な支援があれば乗り越えることができます。重要なのは、子ども一人ひとりのペースとニーズを尊重しながら、焦らず、愛情と忍耐をもって寄り添うことです。

監修:
発達支援スクール コペルプラス
代表講師 有元真紀
幼児教室コペルの講師時代から、のべ1万人以上の子どもたちの指導に携わる。
また近年は指導員の育成にも力を入れている。
