コラム

2024.05.30
発達障害について

育て方のせいじゃない! - 発達障害の原因と家庭環境について

発達障害の原因については、未だにさまざまな誤解や偏見が存在します。
その中でも、発達障害の原因を家庭環境に求める考え方は、特に根強く残っている問題です。
今回は、発達障害の原因に関する現在の理解を紹介し、教育者ができることについて探ります。

【発達障害とは】

発達障害は、神経発達のアンバランスさによって、脳内の情報処理や制御に偏りが生じ、日常生活に困難をきたしている状態を指します。
自閉症スペクトラム(ASD)、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)などが代表的です。
これらの障害は、主に脳機能の偏りによって引き起こされ、行動や社会的な相互作用、コミュニケーションなどに影響を与えます。

【発達障害の特徴】

特定のことには優れた能力を発揮する一方で、ある分野は極端に苦手といった特徴が見られます。
得意なことと苦手なこととの差は誰にでもありますが、発達障害がある人はその差が非常に大きいのです。
得意なことを生かして社会的に成功する人もいれば、不得意なことで日常生活や社会生活に支障をきたしている人もいます。

【発達障害の原因】

最新の研究によると、発達障害の原因は、遺伝的要因と環境的要因の相互作用によるものであり、家庭環境単独で発達障害を引き起こすことはないとされています。

〈遺伝的要因〉
発達障害には少なからず、遺伝的な要因が関与していると言われます。
家族や親戚の中に発達障害が見られる場合、子どもたちにも脳機能の偏りが現れる確率が高まります。
ただし、発達障害に関係する遺伝子は非常に多くあり、1つや2つの遺伝子で決まるものではありません。
どんな人でもそうした遺伝子を少しは持っている可能性が高く、発達障害の特性とは「あるかないか」より「強いか弱いか」の個人差に過ぎないとも言えます。

〈神経生物学的要因〉
胎児期の脳の発達過程における異常や、出生後の脳の発達に影響を与える要因(疾患や外傷の後遺症など)が含まれます。

〈環境的要因〉
妊娠中の母体の健康状態、出産時の合併症、早産、低出生体重、妊娠中の薬物やアルコールの使用などが環境要因として挙げられます。
生殖医療を受け出生した子どもには発達障害の割合がやや高いという報告もあります。
しかし、これらの要因も発達障害を引き起こす直接的な原因ではなく、複数の要因が複雑に絡み合って影響を及ぼすと考えられています。

【育て方の影響は?】

家庭環境が発達障害の原因となるという考えは、過去の誤解や偏見に基づくものです。
かつては、子どもの発達障害は育て方や両親の性格の責任であるかのように言われていた時代もありました。
しかし、科学的な研究を通じてそれが間違いであることが明らかにされています。

【特性のある子どもたちにできるサポート】

発達障害の直接的な原因として家庭環境を挙げることはできませんが、家庭環境が子どもの成長と発達に大きな影響を与えることは事実です。
特に脳機能に何らかの特性がある場合、その特性を子ども本人や家族、周囲の人がよく理解し、その子にあったやり方で日常生活や学校での過ごし方を工夫することができれば、持っている本来の力がしっかり生かされるようになります。

・早期発見と介入
脳機能の偏りに対する早期発見と介入は、子どもの発達を促進するために非常に重要です。
発達専門家と連携し、その子に合ったプログラムや療育を受けることが推奨されます。

・親の理解とサポート
保護者様が発達障害について正しい知識を持ち、適切な対応方法を学ぶことも重要です。
ペアレントトレーニングやカウンセリングを利用することで、ストレスを軽減し、適切な対応ができるようになります。

・家庭環境を整える
日常生活のルーティンを整え、予測可能な環境を提供することが子どもの安心感を高めます。
また、子どもが自信を持って取り組めるような活動を増やすことも効果的です。

まとめ

発達障害の原因は、主に遺伝的要因や神経生物学的要因にあると言われます。
家庭環境が直接の原因ではないものの、家庭におけるサポートと理解は子どもの成長に大きな影響を与えるのも確かです。

教育者が正しい知識を持ち、適切なサポートを提供することで、脳機能に特性を持つ子どもたちが健やかに成長できる環境を整えることができます。
誤解や偏見を解消し、子どもたちに最良の支援を提供するために、コペルプラスは有益な情報の発信とお子様へのサポートを続けてまいります。

監修:
発達支援スクール コペルプラス
代表講師 有元真紀

幼児教室コペルの講師時代から、のべ1万人以上の子どもたちの指導に携わる。
また近年は指導員の育成にも力を入れている。

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