コラム

2024.06.01

先天性ミオパチーとは? - 症状、治療法、支援方法について

先天性ミオパチーは、筋肉の発育や機能に影響を与える遺伝性の疾患群です。
推計によると10万人に3.5~5人が発症する極めて稀な疾患で、国に難病として指定されています。

乳児期に症状がみられる場合には、体を支える筋肉の張りが弱く、体がぐにゃっとしていることが多いようです。
幼少期には座ったり歩いたりする運動発達の遅れ、成人期には疲れやすかったり、力が入らなかったりする自覚症状がみられます。

今回は、先天性ミオパチーの症状、遺伝、病型の分類、検査方法、治療法、および支援方法についてご紹介します。

【先天性ミオパチーとは】

先天性ミオパチーは、筋肉の構造や機能に異常がある遺伝性疾患で、出生時または幼児期に症状が現れることが多いです。
筋肉の収縮や力の発揮に問題を引き起こし、さまざまな運動機能の障害をもたらします。

【症状】

先天性ミオパチーの症状は患者さんによって異なりますが、一般的には以下のような症状が見られます。

・筋力低下
特に近位筋(肩や骨盤周りの筋肉)が弱くなることが多いです。
これにより、立ち上がったり歩いたりするのが困難になります。

・筋緊張の低下(低緊張)
筋肉の張力が低下し、体が柔らかく感じられたり、姿勢の維持が難しくなることがあります。

・運動発達の遅れ
運動機能の発達が遅れるため、首がすわる、座る、立つ、歩くといった発達段階が通常より遅れることがあります。

・顔面筋の影響
顔面の筋肉が弱いため、表情が乏しくなることがあります。
また、飲み込みや話すことにも影響が出ることがあります。

【遺伝】

先天性ミオパチーは遺伝性の疾患であり、遺伝子の異常が原因で発症します。
遺伝のパターンは主に以下の3つです。

①常染色体優性遺伝
片方の親から異常な遺伝子を受け継ぐかたちで発症します。

②常染色体劣性遺伝
両親からそれぞれ異常な遺伝子を受け継いだ場合に発症します。

③X連鎖遺伝
性染色体Xに関連する遺伝で、主に男性に発症します。
女性の場合、XX染色体のどちらかに異常遺伝子を持っている場合には、発症せずに保因者となります。

【病型の分類】

先天性ミオパチーはさまざまな病型に分類され、それぞれ異なる特徴を持ちます。

・中核ミオパチー(コアミオパチー)
筋肉の中に構造的な異常(コア)が見られるのが特徴です。
筋力低下や筋緊張の低下が主な症状です。

・ミニ核ミオパチー
筋線維の中に小さな核が多数存在するのが特徴です。
運動発達の遅れや筋力低下が見られます。

・セントラルコア病(CCM)
筋線維の中央部にコアが見られるのが特徴です。
筋力低下や運動障害が主な症状です。

【検査方法】

先天性ミオパチーの診断には以下のような検査がおこなわれます。

・遺伝子検査
血液サンプルからDNAを解析し、特定の遺伝子異常を検出します。

・筋生検
筋肉の一部を採取して顕微鏡で観察し、筋肉の構造異常を確認します。

・血液検査
クレアチンキナーゼ(CK)などの筋肉酵素のレベルを測定し、筋肉の損傷を評価します。

・神経生理学的検査
筋電図(EMG)や神経伝導速度検査をおこない、筋肉と神経の機能を評価します。

【治療法】

先天性ミオパチーには根本的な治療法はありませんが、症状の管理と生活の質を向上させるための治療がおこなわれます。

・理学療法
筋力を維持し、関節の柔軟性を保つための運動療法がおこなわれます。

・作業療法
日常生活の動作を支援するための訓練や補助具の使用が推奨されます。

・呼吸療法
呼吸筋の弱さを補うために、呼吸訓練をおこなったり補助装置が使われることがあります。

・薬物療法
症状の管理のために、抗炎症薬やその他の薬物が処方されることがあります。

【支援方法】

先天性ミオパチーの子どもとその家族には、さまざまな支援が用意されています。

・教育支援
特別支援教育や個別支援計画を通じて、子どもの学習をサポートします。

・心理的支援
子どもと家族の精神的な健康を支えるために、カウンセリングやサポートグループがあります。

・福祉サービス
生活の質を向上させるための福祉サービスや支援プログラムが提供されます。

まとめ

先天性ミオパチーは、遺伝性の筋肉疾患であり、筋力低下や運動機能の制限を引き起こします。
多角的な治療法に加え、教育的・心理的支援を活用を通じて、子どもたちがより充実した生活を送るための手助けをおこなうことが重要です。

監修:
発達支援スクール コペルプラス
代表講師 有元真紀

幼児教室コペルの講師時代から、のべ1万人以上の子どもたちの指導に携わる。
また近年は指導員の育成にも力を入れている。

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