コラム

2024.07.06
発達障害について

アスペルガー症候群によくある「感情の後出し」とは? - 自分の感情がわからなくなる理由と対処法

アスペルガー症候群を持つ子どもたちは、「感情の後出し」という現象を経験することがあります。
特定の出来事や状況に対して、その場では感情が表現できず、後になってから感情が湧き上がるというものです。
今回は、アスペルガー症候群の特性と感情の後出しについて解説し、対応方法を考えます。

【アスペルガー症候群とは】

アスペルガー症候群は、自閉症スペクトラム(ASD)の一種で、主に社会的コミュニケーションや対人関係において困難を抱えることが特徴です。
言語発達には遅れがないことが多いですが、非言語コミュニケーション(表情やジェスチャー)や柔軟な思考に課題があります。
また、特定の興味や関心に強い集中力を持つこともよくあります。

【感情の後出しとは】

感情の後出しとは、特定の状況で即座に感情を表現できず、時間が経ってからその感情が表れてくる現象です。
例えば、学校で叱られた時には平静を保っていたのに、家に帰ってから突然泣き出したり、何か失礼な冗談を言われた時、その場では気付かず、しばらく経ってから怒りが湧き上がってくるといったケースです。
この現象は、感情処理の遅れや感情認識の困難さに起因すると言われます。

【なぜ感情の後出しが起こるのか】

アスペルガー症候群の子どもたちに感情の後出しが見られる理由には、いくつかの要素が考えられます。

・感情の認識の遅れ
アスペルガー症候群の子どもは、自分の感情を認識するのに時間がかかることがあります。
そのため、感情が実際に湧き上がるまでに遅れが生じます。

・感情表現の困難さ
即座に感情を表現することが難しい場合、適切なタイミングで感情を表すことができません。
これは、感情表現のスキルが未発達であることによります。

・社会的圧力
周囲の反応や社会的な期待により、その場で感情を表現することができず、後になってから感情が噴出することもあります。

【感情の後出しに対する対応方法】

感情の後出しが起こった時、周りの大人はどのように対応すればよいのでしょうか?
以下に、いくつかの具体的な方法をご紹介します。

①感情を受け入れる
感情の後出しが起きた時は、まず子どもの感情を受け入れ、理解しようとする姿勢が大切です。
「どうして今泣いているの?」ではなく、「学校で何かあったの?」と尋ねることで、子どもが自分の感情を表現しやすくなります。

②感情を言葉にするサポート
子どもが自分の感情を理解し、言葉で表現できるようにサポートしましょう。
例えば、「今日、一番楽しかったことは何?」と具体的な質問を投げかけ、子どもが感情を言葉にする手助けをします。

③感情を振り返る
一日の終わりに、感情を振り返る時間を設けることも有効です。
例えば、寝る前に「今日はどんなことがあった?」「何か嫌だったことはない?」と話を聞く時間を持つことで、感情を整理する機会を与えます。

④感情について学ぶ
感情カードや絵本などを使って、感情の種類やそれぞれの感情がどのような状況で湧き上がるのかを学ぶことができます。
これにより、子どもは自分の感情をより理解しやすくなります。

⑤専門家のサポートを受ける
必要に応じて、心理カウンセラーや発達支援の専門家のサポートを受けることも検討しましょう。
専門家の指導のもとで、感情のコントロールや表現方法を習得することができます。

まとめ

アスペルガー症候群の子どもたちに見られる「感情の後出し」は、感情の認識や表現の困難さに起因する現象です。
周りの大人は、感情を受け入れ、言葉にするサポートをおこない、必要に応じて専門家の支援を受けることで、子どもたちが安心して感情を表現できる環境を整えていきましょう。

監修:
発達支援スクール コペルプラス
代表講師 有元真紀

幼児教室コペルの講師時代から、のべ1万人以上の子どもたちの指導に携わる。
また近年は指導員の育成にも力を入れている。

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