2024.08.21
発達障害について
発語がない子どもに言葉以外のコミュニケーションを取り入れるべき?
発語がまだ見られない子どもを育てている保育者様の中には、「言葉が出ないことで、この先どうなってしまうのだろう」と不安に感じている方も多いかと思います。
そんな中で、言葉以外のコミュニケーション方法やツールを取り入れるべきかどうか、悩むことがあるかもしれません。
「ツールを使うと、ますます発語が遅れてしまうのでは?」という心配もよく耳にします。
今回は、まだ発語がない子どもに対して、どのようなアプローチが効果的なのか、言葉以外のコミュニケーションツールについて考えてみましょう。
【言葉以外のコミュニケーションの重要性】
まず、発語がまだ見られない子どもにとって、言葉以外のコミュニケーション方法を取り入れることは有効な場合が多いです。言葉を話すことができない状態であっても、子どもは何かを伝えたい、理解してもらいたいという欲求を持っています。
このコミュニケーション欲求を満たすためには、ジェスチャー、絵カード、指差し、表情など、言葉以外の手段を使って意思を伝える方法をサポートしてあげることが大切です。
また、コミュニケーションの手段が増えることで、子どもは自分の思いを伝えられる喜びを感じることができます。
これにより、親子の絆が深まり、子どもの自己肯定感も高まります。
言葉が出るかどうかに焦点を当てすぎず、コミュニケーション全体をどうサポートできるかを考えることが重要です。
【ツールに頼ると発語しなくなる?】
「言葉以外のツールに頼ると、子どもが発語しなくなるのでは?」という不安もよく聞かれます。しかし、実際にはツールを使うことで発語が妨げられることは少ないです。
むしろ、ツールを適切に活用することで、子どもが自分の意思を伝える成功体験を積み重ね、それが発語の促進につながることもあるのです。
例えば、絵カードやボードを使ってコミュニケーションを取ることで、子どもが自分の気持ちや欲求を伝えられるようになると、徐々に言葉で表現したいという意欲が湧いてくることがあります。
重要なのは、ツールを使っても「伝えたい」という“コミュニケーション欲求”があるかどうかを見極めることです。
ツールがコミュニケーションの補助的な役割を果たしている限り、発語の妨げになることはありません。
【ツールの選び方と使い方】
言葉以外のコミュニケーションツールにはさまざまなものがありますが、子どもの発達段階や特性に応じて適切なツールを選ぶことが大切です。例えば、視覚的に理解しやすい絵カードや写真を使ったコミュニケーションボードは、言葉がまだ難しい子どもにとって非常に有効です。
また、手話やジェスチャーも、言葉を補完する手段として役立ちます。
ツールを使う際には、子どもが自然に楽しんで使えるような環境を整えられると良いですね。
遊びの中に取り入れたり、日常生活の中で活用することで、無理なくコミュニケーションの幅を広げていくことができます。
また、ツールを使ったコミュニケーションが成功した際には、しっかりとほめてあげることで、子どもがさらにコミュニケーションを取りたいという意欲を持つようになります。
【コミュニケーションの目的を見失わないこと】
コミュニケーションツールを使う際には、ツール自体にばかり目を向けるのではなく、あくまで目的は「子どもが伝えたいことを伝えられるようになること」であるということを忘れないようにしましょう。発語がない場合でも、ツールを使って子どもが自分の気持ちや考えを表現することができれば、それは大きな成功です。
また、発語に焦点を当てすぎると、子ども自身もプレッシャーを感じてしまい、逆にコミュニケーションへの意欲が低下してしまうことがあります。
大切なのは、子どもが楽しく、自分のペースでコミュニケーションを取れるような環境を整えることです。
まとめ
発語がまだ見られない子どもに対して、言葉以外のコミュニケーションツールを取り入れるかどうかは、子どもに「伝えたい」というコミュニケーション欲求があるかどうかで判断されると良いかと思います。ツールを使っても、「伝えたい」というコミュニケーション欲求がある限り、発語が妨げられることはありません。
むしろ、ツールを通じて意思疎通ができる成功体験が、発語への意欲を促すこともあります。
また、発語だけにこだわるのではなく、子どもがどのようにして自分の思いを伝えられるかをサポートする姿勢が大切だと考えます。
ツールを適切に使いながら、子どものコミュニケーション能力を広げていくことが、発達を促す大きな一歩となるはずです。

監修:
発達支援スクール コペルプラス
代表講師 有元真紀
幼児教室コペルの講師時代から、のべ1万人以上の子どもたちの指導に携わる。
また近年は指導員の育成にも力を入れている。
