2024.09.20
幼児期の発達
トークン法とは? 子どもの困りごとを減らせる?
子どもとの日常生活の中で、ルールを守らない、指示に従わない、などの困りごとに直面することは多いかもしれません。
特に、発達に特性のある子どもたちは、ルールを理解したり、守ったりすることが難しく感じることがあります。
子どもにルールを理解させ、守る力を育てるための方法のひとつに「トークン法」という手法があります。
今回は、トークン法の基本的な仕組みとメリット、用いる際の注意点について解説します。
【トークン法とは】
トークン法とは、行動療法の一種で、子どもが望ましい行動を取った際に「トークン」(シールやポイントなど)を与えることで、その行動を強化し、持続させる方法です。このトークンが一定数たまると、子どもにとって魅力的なご褒美や特典と交換できる仕組みになっています。
トークンは、子どもが即座に達成感を得られるための「目に見える報酬」として機能し、子どものやる気を引き出す効果があります。
例えば、以下のような状況を想像してみてください。
・ある子どもが毎朝の準備をスムーズにおこなうことが苦手で、いつも学校に遅れそうになってしまう。
・そこで、子どもが「朝の準備を時間通りに終えたら、トークンを1枚もらえる」というルールを設定します。
・トークンが3枚たまったら、好きなおやつを選べる、といったご褒美を設定します。
このように、トークン法は具体的な行動目標を立て、それを達成することで即座に報酬がもらえるというシンプルな仕組みで、子どもの行動を促すことができます。
【トークン法のメリット】
トークン法には、いくつかのメリットがあります。 特に、ルールを守ることに対するモチベーションを高め、長期的な習慣形成に役立つことが特徴です。①目に見える報酬で動機づけがしやすい
子どもたちは、目に見える形で報酬をもらえると、達成感を感じやすくなります。
シールやポイントなど、目に見える形のトークンを集めることで、子どもは自分の行動が評価されていることを実感しやすくなり、次も頑張ろうという気持ちが芽生えます。
②小さなステップで大きな目標に向かえる
トークン法では、子どもが一度に大きな成果を上げる必要はありません。
日々の小さな行動一つ一つがトークンとして評価され、それが積み重なることでご褒美や大きな達成感につながります。
③即時のフィードバックが可能
子どもが望ましい行動を取ったときに、すぐにトークンを与えることで、その行動が正しいものであったと即時にフィードバックできます。
これにより、子どもは何が良い行動かを明確に理解できるため、行動の修正が早く、効果的です。
④ルールの明確化
トークン法を導入する際には、事前にどのような行動に対してトークンがもらえるのか、具体的なルールを設定しましょう。
このルール作り自体が、子どもにとって重要な学びになります。
ルールが明確であると、子どもは自分がどのように行動すれば良いかを理解しやすくなり、ルールを守ることが習慣化されやすくなるのです。
【トークン法を用いる際の注意点】
トークン法には多くの利点がありますが、外的動機づけを多用することには注意も必要です。
子どもがご褒美だけを目当てに行動するようになると、内的動機づけが育ちにくくなる可能性があります。
つまり、「自分のために」行動することではなく、「トークンのために」行動するようになってしまうのです。
これを避けるためには、トークン法と並行して、子どもが自分の行動に対して達成感や満足感を感じられるようにサポートし、徐々に外的動機づけを減らしていくことが大切です。
内的動機づけと外的動機づけについては、こちらのコラム「子どものやる気、動機づけ」も参考にしてみてください。
まとめ
今回は、トークン法という行動療法の一つについてご紹介しました。
ルールを守ることに対するモチベーションを高め、長期的な習慣形成に役立つなどのメリットがある一方で、ご褒美のためだけに行動するようになってしまわないよう注意も必要です。
使い方や頻度に気を付けながら、目標を達成する喜びを親子で味わえると良いですね。

監修:
発達支援スクール コペルプラス
代表講師 有元真紀
幼児教室コペルの講師時代から、のべ1万人以上の子どもたちの指導に携わる。
また近年は指導員の育成にも力を入れている。
