2024.10.04
発達障害について
外ではいい子、家庭では暴言・暴力が現れる発達障害児の心理とは?
「外では全然問題がないのに、家に帰ると子どもが暴言や暴力を振るう」という悩みを抱える保護者の方は少なくありません。
特に発達障害を持つ子どもの場合、外での振る舞いと家庭内での振る舞いに大きな違いが見られることがあり、そのギャップに戸惑うことも多いでしょう。
なぜ、外では「いい子」なのに、家庭では感情の爆発が起こるのでしょうか?
この現象の背後には、発達障害児特有の心理的な要因が関係しています。
今回は、その原因を探り、どのように対応すべきかについて考えていきます。
【外でいい子に見えるのはなぜ?】
まず、発達障害を持つ子どもが外で「いい子」に見える理由を考えましょう。発達障害には、注意欠如・多動症(ADHD)や自閉症スペクトラム(ASD)、学習障害(LD)などさまざまなタイプがありますが、子どもたちには共通して「他者の目を気にする」「規則やルールに対して強く反応する」傾向が見られることがあります。
外の環境、特に学校や習い事の場では、社会的なルールや規則が厳格に設定されていることが多いです。
発達障害を持つ子どもの中には、そのルールに従うことで周囲からの評価が気になるため、無理をして「いい子」であろうとする子も少なくありません。
この努力によって、周囲の大人や友達から「おとなしい子」「よくできた子」と見られることもあるのです。
【家庭内で感情が爆発する理由】
一方、家庭に帰ると、外で抑え込んでいた感情が一気に解放されることがあります。これは、いくつかの要因が絡み合って起こる現象です。
①外でのストレスの蓄積
発達障害を持つ子どもにとって、外の世界は多くの刺激やルールであふれています。
感覚過敏のある子どもや、社交的なスキルが未発達な子どもにとって、外の環境は非常にストレスフルです。
学校や他の社会的な場で「いい子」を演じることに疲れてしまい、そのストレスが家庭で爆発することがあります。
②安心感による解放
家庭は子どもにとって、最も安全で安心できる場所です。
外で我慢してきた感情を、安心できる家族(特に母親)の前で解放してしまうのは自然なことです。
家庭は、子どもが「本音」を出せる唯一の場所であり、結果として暴言や暴力が表出することもあります。
③自己表現の難しさ
発達障害を持つ子どもの中には、感情を適切に言葉で表現するのが苦手な子もいます。
怒りや不安、悲しみなどの感情が自分でもコントロールできず、その結果、言葉ではなく行動で表現してしまうことがあります。
暴言や暴力は、「どうしていいかわからない」感情の表現の一つかもしれません。
【どう対応したらいい?】
では、家庭内での暴言や暴力に対して、どのように対応すればよいのでしょうか?まず大切なのは、子どもが何に困っているのかを理解し、冷静に対処することです。
①環境を整える
家庭内で子どもが安心して過ごせる環境を作りましょう。
例えば、静かな場所や感覚に優しい環境を整えることで、感覚過敏を持つ子どもが落ち着ける場所を確保することができます。
また、日常のルーティンを守ることも、子どもに安心感を与える一つの方法です。
②感情の整理を手助けする
発達障害の子どもにとって、感情を言葉で整理するのは難しいことがあります。
親が子どもの感情を言語化する手助けをすることで、子ども自身も自分の気持ちを理解しやすくなります。
例えば、「今日は学校で何か嫌なことがあった?」と尋ねることで、子どもが抱えているストレスや不安を言葉にするサポートをします。
③一貫したルールと期待を設定する
家庭内でも一貫したルールを設け、子どもがそのルールに従うことが求められることを理解させましょう。
ただし、外でのストレスを考慮し、過度に厳しいルールや高すぎる期待は控え、シンプルで子どもが理解しやすいルールが良いです。
④自己コントロールを学ばせる
子どもが暴言や暴力を振るった時は、感情的に対応するのではなく、冷静に対処し、自己コントロールの大切さを教えることが必要です。
「暴言を吐くことで、何かを解決できるわけではない」ということを伝え、代わりに感情をコントロールする方法を一緒に考えましょう。
【サポートの必要性】
もし、家庭での暴力や暴言が頻繁に起こるようであれば、専門家のサポートを受けることも検討しましょう。児童発達支援施設やカウンセラーとの相談を通じて、子どもの感情や行動の問題に対する具体的な支援方法を学ぶことができます。
また、保護者様も感情的に疲弊してしまうことがあるため、自己ケアも忘れずにおこなうことが重要です。
まとめ
外で「いい子」に見える発達障害児が、家庭で暴言や暴力を振るう背景には、外でのストレスや感情を表現する難しさがあります。子どもの感情を理解し、冷静に対応すること、そして、家庭が安心して感情を表現できる場所であり続けることが、子どもを支える大きな柱となるでしょう。
専門的なサポートを活用しながら、親子で共に成長していく姿勢が大切だと考えます。

監修:
発達支援スクール コペルプラス
代表講師 有元真紀
幼児教室コペルの講師時代から、のべ1万人以上の子どもたちの指導に携わる。
また近年は指導員の育成にも力を入れている。
