コラム

2024.10.10

発達障害による勉強の困難さと単なる勉強嫌いはどうちがう?

子どもが勉強を嫌がる理由はさまざまで、すぐに「勉強嫌いだから」と片付けてしまうこともあります。
しかし、勉強嫌いの背景には、発達障害などの特性が影響している場合もあり、同じ「勉強に対する抵抗感」でもその根本原因はさまざまです。
そこで今回は、発達障害による勉強の困難さと、単なる勉強嫌いについて解説し、それぞれに応じたサポート方法について考えていきます。

【勉強が嫌いな理由はさまざま】

まず、子どもが勉強を苦手または嫌いと感じる理由はさまざまで、はっきりと特定することは難しいことも多いです。
単純に「楽しくない」「興味がわかない」といった感情的な理由から、先生やクラスメイトとの関係、学校の環境などが原因で勉強に抵抗を感じている場合もあります。
勉強を楽しいと思えるようになるかどうかは、環境や教え方、興味のある分野を見つけるかどうかが大きく影響します。

一方、発達障害のある子どもたちは、こうした外部的な理由とは異なり、脳の働きや認知の特性が原因で学習そのものに困難を感じることがあります。

【発達障害による学習の困難さとは】

発達障害にはさまざまなタイプがあり、それぞれに異なる学習の困難さが伴います。
例えば、ADHD(注意欠如・多動性障害)の子どもは集中力を持続させることが難しく、興味がないことに対しては特に短時間で気が散ってしまう傾向があります。

また、読み書きや計算などの特定の学習に困難を感じる学習障害(ディスレクシアやディスカリキュリア)の場合、通常の学習方法ではなかなか成果が上がらず、子どもが自信を失ってしまうこともあります。

こうした発達特性に基づく学習の困難さは、子どもの努力や環境だけでは解決が難しい場合が多く、専門の支援やアプローチが必要です。

【共通点も多い「勉強嫌い」と「学習困難」】

「勉強嫌い」と「発達障害による学習困難」は、一見異なるように思われますが、実は共通点も少なくありません。

例えば、勉強が嫌いな子どもも、発達障害がある子どもも、どちらも学習に対する意欲が低くなることがあります。
自分の努力が成果に結びつかないと感じたり、失敗の経験が重なったりすることで、「どうせできない」「やっても無駄」といった無力感を抱きやすくなるのです。
こうした感情は、発達障害が原因である場合も、環境や教え方が合わない場合も、同じように現れることがあります。

また、学校や家庭でのサポートが不足していると、どちらの子どもも「できない自分」を責めてしまい、結果としてさらに学習から遠ざかってしまうことがあります。

【基本的なサポートの考え方】

発達障害がある子どもと、単に勉強が嫌いな子どもへの支援方法は異なり、発達障害がある場合には、個別の支援計画や専門的な教育支援が必要です。
例えば、ディスレクシアの子どもには、視覚的にわかりやすい教材や音声学習の導入が有効ですし、ADHDの子どもには短い時間で区切って学習を進めるといった方法が効果的です。

一方で、単に勉強が嫌いな子どもには、興味を引く内容を取り入れることや、成功体験を増やして自己効力感を高めることが重要です。
また、周りの大人が子どもの学習に対して前向きな姿勢を示し、励ましてあげることも効果的です。

しかし、どちらのケースにおいても共通して言えるのは、子どもが「成功体験」を積むことが重要であるという点です。
小さな成功を積み重ねることで、自信を持ち、学習に対する意欲を取り戻すことができます。
この基本的なアプローチは、発達障害の有無にかかわらず有効です。

【完全に分けて考えることは難しい】

ここまで見てきたように、発達障害による学習の困難さと単なる勉強嫌いは、それぞれ異なる背景や原因があります。
しかし、実際にはこれらを完全に分けて考えることは難しいものです。

まず、発達障害があったとしても、すべての学習困難がその特性に直接結びついているわけではありません。
逆に、発達障害がない子どもでも、学習に対する苦手意識が強く、結果として「自分は特定の勉強ができない」と思い込んでしまう場合もあります。
さらに、発達障害のある子どもが、正しいサポートを受けていない場合、勉強への嫌悪感が強まり、「嫌い」という感情が前面に出てくることも少なくありません。

そのため、勉強に対して困難を感じている子どもをサポートする際には、単純に「発達障害だから」または「勉強嫌いだから」と表面的に見るのではなく、個々の子どものニーズに合わせた柔軟な対応が求められます。

まとめ

発達障害による学習の困難さと単なる勉強嫌いは、背景にある原因や支援方法が異なるものの、共通する部分も多く、完全に分けて考えることは難しいと言えます。
どちらのケースでも、子どもが自信を持って学習に取り組めるよう、成功体験を積み重ねることが重要です。

そして、先生や保護者様がその過程をしっかりと見守り、適切なサポートを提供することで、子どもは少しずつ学びに対する前向きな姿勢を取り戻すことができるはずです。

監修:
発達支援スクール コペルプラス
代表講師 有元真紀

幼児教室コペルの講師時代から、のべ1万人以上の子どもたちの指導に携わる。
また近年は指導員の育成にも力を入れている。

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