2024.11.07
幼児期の発達
お友達にケガをさせてしまった…子どもの他害行為の原因と対応方法は?
子どもが友達にケガをさせてしまうような行動を取ったとき、親としては驚きとともに「なぜこんなことをしてしまったのだろう?」と困惑することも多いかと思います。
子どもの他害行為(他者に対して傷つける行動)は成長過程で見られる場合があり、その背景にはさまざまな理由があることがわかっています。
また、適切な対応を通して、このような行動を改善していくことも可能です。
そこで今回は、他害行為の原因と対処法について、わかりやすく解説します。
【他害行為とは】
他害行為とは、他者に対して叩いたり、引っかいたり、押し倒したりといった暴力的な行為をすることを指します。幼児期には、言葉で気持ちをうまく伝えられない場合や、自分の感情をコントロールしにくいことが原因で、一時的に見られることがあります。
しかし、そのままにしてしまうと周囲の友達との関係に影響を及ぼし、自己肯定感が低下することにもつながるため、早めの対応が重要です。
【他害行為の原因は?】
他害行為の原因は一つではなく、いくつかの要因が絡み合っている場合があります。以下の原因について見ていきましょう。
1. コミュニケーションの未熟さ
言葉で自分の気持ちや意見をうまく伝えられない場合、他害行為で自己主張をしようとすることがあります。特に、まだ言葉が発達段階にある幼い子どもや、コミュニケーションに難しさを抱える子どもに見られやすい行動です。
例えば「順番を守ってほしい」という思いを言葉で伝えられないために、手を出してしまうこともあります。
2. 感情のコントロールが難しい
怒りや悲しみといった感情をうまくコントロールできないため、他者に対して攻撃的な行動を取ることがあります。感情が高ぶると、思わず手が出てしまう子どもも少なくありません。
特に、自己制御力が未発達な幼児にとっては、自分の感情に負けてしまうことも多いです。
3. 発達障害や特性によるもの
発達障害(自閉症スペクトラム、ADHDなど)を持つ子どもは、特性からくる衝動性や感覚過敏が原因で他害行為に至ることがあります。例えば、ADHDを持つ子どもは、衝動的な行動を抑えることが難しいため、突発的に叩いてしまうことがあるのです。
また、感覚過敏のために他者との接触や音が苦痛に感じ、身を守るための反応として手が出ることも考えられます。
4. ストレスや不安
子どもも大人と同様、ストレスや不安を抱えると情緒が不安定になります。その結果、友達や家族に対して攻撃的な行動を取ってしまうことがあります。
家庭や学校での環境変化や、親との関係の不安など、心に負担がかかっている場合に他害行為が見られることもあります。
【他害行為に対する対応方法】
子どもの他害行為に直面した場合、ただ叱るだけでなく、原因に応じた対応が求められます。以下のポイントに注意しながら対処していきましょう。
1. 子どもの気持ちを受け止める
まずは、子どもがなぜ他害行為をしてしまったのかを理解しようとする姿勢が大切です。例えば「どうして手が出ちゃったのかな?」と、穏やかに尋ねてみましょう。
子どもが自分の気持ちを話すことで、原因を探る手がかりが得られるかもしれません。
2. 行動の代替手段を教える
子どもが自己主張をしたり、感情を表現するための手段がない場合、代わりの方法を教えてあげましょう。例えば「嫌なことがあったら『嫌だ』って言ってみようね」といったように、簡単な言葉で伝え方を教えます。
また、叩きたくなったときには「深呼吸をして気持ちを落ち着かせよう」など、感情をコントロールする方法も併せて伝えましょう。
3. 理解できる範囲での説明をする
他害行為が他の人に与える影響について、年齢や理解力に応じて説明することも大切です。「叩かれたら痛いんだよ」「お友達も悲しい気持ちになるんだよ」と、他者の気持ちに寄り添うことで、共感力を育むことができます。
4. ポジティブな行動をほめる
叩かないで我慢できた、友達に優しく接することができたといった場面では、大いにほめてあげましょう。「我慢できたね」「優しくできたね」とポジティブな行動をほめることで、子どもは自分の行動に自信を持てるようになります。
このような成功体験が増えることで、徐々に他害行為を減らしていくことができます。
5. 必要に応じて専門家に相談する
他害行為が頻繁に見られる場合や、対処が難しい場合は、専門家のサポートを受けることも検討しましょう。児童発達支援や心理相談、発達障害の専門医などが支援を提供しています。
専門家に相談することで、子どもに合った対応方法やアドバイスを得ることができます。
【他害行為を予防するために】
他害行為を防ぐためには、日頃から感情のコントロールや自己表現のスキルを育てることが大切です。できるところから、以下の取り組みを実践してみましょう。
1. 感情を表現する練習をする
子どもが自分の感情を言葉で表現できるように、日常生活の中で練習しましょう。「今日は楽しかった?」「どんな気持ちだった?」と日々問いかけることで、感情を言葉にするスキルが少しずつ身につきます。
2. 自己肯定感を育てる
他害行為を防ぐためには、子どもの自己肯定感を高めることも重要です。自己肯定感が高いと、他者への攻撃性が低くなる傾向があります。
子どもが何かに成功したり、頑張ったことがあれば、その努力をしっかりと認めてあげましょう。
3. 安定した環境を提供する
家庭や学校での安定した環境は、子どもが安心して過ごすための土台となります。日々の生活リズムを整え、子どもがリラックスできる時間を作ることで、情緒の安定を図ることができます。
まとめ
子どもの他害行為にはさまざまな原因があり、対応には工夫が必要です。原因を探り、その子に合ったサポートを提供することで、子どもが感情をコントロールし、自己表現を身につける手助けができます。
専門機関との協力を通じて、子どもがより豊かな人間関係を築いていけるよう、温かく見守っていきましょう。

監修:
発達支援スクール コペルプラス
代表講師 有元真紀
幼児教室コペルの講師時代から、のべ1万人以上の子どもたちの指導に携わる。
また近年は指導員の育成にも力を入れている。
