2024.11.13
発達障害について
発達障害の子どもと発表会 - 迷惑にならないかと心配なときに知っておきたいこと
子どもたちの成長を感じる発表会の場面——
しかし、発達障害の特性を持つ子どもたちにとって、発表会はいつも以上に緊張や不安が高まる場面でもあります。
「泣いてしまったり、集団行動ができなかったりすることで、周囲に迷惑をかけないか」と心配される保護者の方もたくさんいらっしゃいます。
そこで今回は、特性のある子どもたちが発表会に少しでも安心して参加できるよう、周囲が理解し、サポートするためのポイントをお伝えします。
【発表会が苦手な理由は?】
発表会は、多くの人に注目され、普段と違う場所で、決められた時間に決められた動きを求められる場です。こうした要素は、発達障害の特性を持つ子どもたちにとって不安やストレスを引き起こしやすく、以下のような行動が見られることがあります。
1)緊張して泣いてしまう
ASD(自閉症スペクトラム)やADHD(注意欠如・多動症)などの特性を持つ子どもたちは、想定外の状況に直面すると不安を強く感じることがあります。見慣れないステージや観客の存在がプレッシャーとなり、緊張で泣き出してしまうことも少なくありません。
2)集団行動が苦手
集団で同じ行動をとることが難しいと感じるのも、発達障害の特性です。周囲と足並みをそろえることが難しく、個々の動きに集中するあまり、行動が遅れてしまったり、一人だけ異なる動きをしてしまったりする場合もあります。
3)長時間の待機が苦痛
多動傾向のあるADHDの子どもは、発表の順番を待つ間にじっとしているのが難しいことが多いです。椅子に座っている間に退屈してしまったり、集中力が続かず動き回ったりと、静かに待つことができないため、ハラハラする場面もあるでしょう。
【周囲の理解とサポートが重要】
発達障害の子どもたちが安心して発表会に参加できるためには、先生やクラスメイトの理解が欠かせません。以下のような準備や工夫をお願いすることで、無理なく発表会に参加できる可能性が広がります。
「迷惑かもしれない」と気を揉むのではなく、子どもの成長を喜び、応援する視点を持てると良いですね。
①本人にとっての負担を減らす準備
事前に発表会の内容や当日の流れについて具体的に説明し、イメージしやすくしてあげましょう。できれば、発表会の場所を見せておくことも効果的です。
特にASDの子どもたちは、環境や予定が変わることに敏感なため、リハーサルなどで予行練習をおこなうと安心しやすくなります。
②安心できるグッズやサポートを活用
発表会の場で緊張を和らげられるアイテムやサポートを準備するのも一つの方法です。例えば、好きなぬいぐるみや安心できるブランケットを持参させたり、サポート役として信頼できる先生や保護者の方がそばにいることで、子どもは安心感を持ちやすくなります。
③役割や出番を工夫する
集団行動が苦手な子どもにとっては、全員が同じ動きをする場面よりも、一人で取り組める役や出番の少ない役が合う場合もあります。先生と相談し、柔軟に対応してもらえるようお願いしておきましょう。
【子どもの個性を尊重する大切さ】
発表会は子どもの成長を感じる場であると同時に、周りとの比較が目につく場でもあります。しかし、発達障害を持つ子どもたちの中には、発表会に参加するだけでも大きな成長の一歩となる子もいます。
「他の子と同じことができなくても、我が子らしく頑張っている」という視点で見守ることが、子どもにとっての自信につながります。
また、保護者の方が発表会を不安に思っていると、その気持ちは子どもにも伝わります。
周りと比較するのではなく、「今日はここまでできたね」とその子自身の頑張りや成長を認め、ほめてあげることが大切です。
【発表会は一つの通過点】
発達障害を持つ子どもたちが、発表会で周囲と同じように演じることが難しい場合であっても、子どもたちにとっては一つの通過点に過ぎません。緊張して泣いてしまったり、うまく参加できなかったりしても、あまり気負わずに「次にまた頑張ればいい」と受け止めてあげる姿勢が、親子にとって心地よいバランスではないでしょうか。
【発表会を通じて育まれるもの】
発表会に向けて努力した経験は、発達障害を持つ子どもたちにも自己肯定感を育てる大切な経験となります。「発表会で泣いてしまったけど、それを乗り越えた」という経験は、小さな成功体験として、次の挑戦への勇気にもなります。
特性に合わせたサポートをしつつ、無理のない範囲で少しずつ挑戦を積み重ねていくことが、子どもたちにとっての大きな成長につながっていきます。
周りの大人が発表会を温かい目で見守り、サポートしながら、一人ひとりの成長を見守ることで、子どもたちは自分らしい形で輝くことができるはずです。

監修:
発達支援スクール コペルプラス
代表講師 有元真紀
幼児教室コペルの講師時代から、のべ1万人以上の子どもたちの指導に携わる。
また近年は指導員の育成にも力を入れている。
