コラム

2024.11.19

ディジョージ症候群とは? - 理解と支援のために知っておきたいこと

ディジョージ症候群(DiGeorge Syndrome)とは、遺伝子の一部が欠けていることで、心臓や免疫系、発達などにさまざまな影響が現れる症候群です。
先天性の疾患としても知られ、染色体の22番に存在する遺伝子の一部が欠損することで引き起こされます。
このため、「22q11.2欠失症候群」とも呼ばれることもあります。

ディジョージ症候群は、子どもが生まれてから比較的早期に気づかれることが多い疾患で、早期発見と適切な治療がその後の生活に大きな役割を果たします。
今回は、この症候群の特徴や治療方法について詳しく見ていきましょう。

【ディジョージ症候群の主な特徴】

ディジョージ症候群は多様な症状がみられるのが特徴で、症状の重さや内容も個々によって異なります。
主な症状として以下のようなものがあります。

①心臓の問題

ディジョージ症候群を持つ子どもの約70~80%に心臓の異常が見られます。
具体的には、心室や心房がうまくつながらない心室中隔欠損症や、大動脈の異常などです。
心臓の問題は出生後に早期に発見されることが多く、症状によっては手術が必要となることもあります。

②免疫機能の低下

ディジョージ症候群では、胸腺という免疫に重要な器官の発達が十分でない場合があり、これにより免疫機能が低下することがあります。
免疫機能が弱いと感染症にかかりやすくなるため、感染症への注意が必要です。
特に乳幼児期には、風邪や感染症の予防がとても大切です。

③発達面での遅れや学習障害

ディジョージ症候群の子どもには、知的な発達や学習面での遅れが見られる場合があります。
例えば、言葉を覚えるスピードが遅かったり、学習において理解するのに時間がかかったりすることがあるため、発達支援や個別教育が必要になることがあります。
また、集中力の低下や社交性の面での特徴も見られることがあるため、学校や日常生活でのサポートが重要です。

④顔の特徴

ディジョージ症候群では、顔の形状に特徴が現れることが多いとされています。
例えば、まぶたが垂れていたり、鼻が少し平坦であるなどの特徴が見られることがあります。
ただし、顔の特徴は個人差が大きく、必ずしも全員に当てはまるわけではありません。

⑤その他の症状

その他にも、口蓋裂(上あごの裂け目)や腎臓の異常、低カルシウム血症(血液中のカルシウムが低い状態)など、さまざまな症状が見られることがあります。
これらの症状もまた、個人によって程度が異なります。

【ディジョージ症候群の原因】

ディジョージ症候群は、22番染色体の特定の部分が欠けていることが原因で発生します。
これは遺伝子の偶発的な欠損によって生じるもので、遺伝による場合もありますが、多くは偶発的に発生します。
このため、家族に症状がなくても子どもに発症するケースはあります。

【ディジョージ症候群の診断と治療】

ディジョージ症候群は、遺伝子検査によって確認されます。
症状が出る頻度や重症度は個々によって異なり、症状の一部が出生後すぐに発見されることもありますが、成長する中で気づかれる場合もあります。

治療は、症状に応じた対応が基本となります。
例えば、心臓の異常がある場合には心臓手術が必要になることがあり、免疫系の弱さがある場合には感染予防が重視されます。

さらに、発達支援や学習支援をおこなうことで、生活の質を向上させ、子どもの能力を最大限に引き出すことが可能です。

【日常生活でのサポート】

ディジョージ症候群の子どもたちにとって、日常生活でもさまざまな工夫やサポートが役立ちます。

1. 感染予防

免疫系に弱さがある子どもには、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかるリスクを減らすことが大切です。
手洗いやうがいの習慣をつける、季節の変わり目には予防接種を受けるといった工夫が推奨されます。
また、保育園や学校で集団生活を送る場合、感染が流行しているときは医師の指示を仰ぎ、対応を考えていきましょう。

2. 学校での支援

学習面や発達面での支援を受けるためには、学校や教育機関と連携することが重要です。
特別支援教育の導入や、個別に合った学習プランの作成が考えられます。
また、集中力や記憶力が求められる活動では、少しずつ取り組み、達成感を得られるような工夫をしていきましょう。

3. 心理的なサポート

心の安定を保つためには、家庭や学校での心理的なサポートが役立ちます。
自己表現がうまくいかないときには保護者様が寄り添い、気持ちを言葉にする手助けをすることも効果的です。
また、友達との関わりや遊びを通して社会性を学ぶ場を作り、失敗しても再挑戦できる環境を提供することが、成長にとって良い経験となります。

【家族のサポートも大切】

ディジョージ症候群の子どもを育てることは、ご家族にとっても多くの負担や心配を伴うことがあります。
医師や専門家との相談や、同じ症状を抱える子どもを育てる親たちとの交流を通じて、不安や疑問を解消する場を持つと良いでしょう。

まとめ

ディジョージ症候群は、さまざまな症状が複雑に組み合わさる疾患です。
しかし、早期の診断と適切な治療を通じて、症状の改善や日常生活の向上が期待できます。
ご家族や医療チーム、発達の専門家が一丸となってサポートすることで、子どもたちは自分のペースで成長していくことが可能です。

もしディジョージ症候群が疑われる場合は、まず専門医の診断を受け、適切なサポートにつなげていきましょう。

監修:
発達支援スクール コペルプラス
代表講師 有元真紀

幼児教室コペルの講師時代から、のべ1万人以上の子どもたちの指導に携わる。
また近年は指導員の育成にも力を入れている。

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