コラム

2024.12.06

ウエスト症候群(点頭てんかん)とは? 早産児に起こりやすい?

ウエスト症候群(West syndrome)は、乳幼児期に発症することが多い、てんかんの一種です。
特有の発作パターンや脳の異常な電気活動を特徴とし、早期発見と適切な治療が非常に重要とされています。

今回は、ウエスト症候群の概要や症状、早産との関係、治療法などについて解説します。

【ウエスト症候群とは】

ウエスト症候群は、生後4~8ヶ月ごろの乳幼児に発症するてんかんの一種で、以下の3つを主な特徴とします。

①点頭発作

点頭発作とは、首や体を突然カクッとうなだれるような動きが特徴的な発作です。
発作は数秒で終わりますが、一度に数回から数十回繰り返されることが多く、食事中や寝起きに起こることがよく見られます。

②脳波の異常

ウエスト症候群の子どもでは、脳波検査で特有のパターン(ヒプスアリスミア)が確認されます。
この異常な脳波活動が、発作や発達の遅れにつながります。

③発達の停滞・後退

ウエスト症候群の発症後、多くの子どもで発達が遅れる、または一度獲得したスキルが失われるといった後退が見られることがあります。

【ウエスト症候群の原因は?】

ウエスト症候群の原因は多岐にわたり、大きく分けて症候性と特発性の2つに分類されます。

・症候性

脳の器質的な異常や病気が原因の場合です。
例として、脳形成異常や低酸素性虚血性脳症(出生時の酸素不足)があります。

・特発性

原因が特定されない場合を指します。
比較的軽度の症状であることが多いですが、遺伝的要因が関与しているケースもあります。

【早産児に起こりやすい理由】

早産児では、ウエスト症候群が発症するリスクが高いとされています。
その理由には、以下の要因が挙げられます。

1. 脳の未発達

早産児は、出産時に脳の発達が十分ではないことが多く、神経系が刺激に対して過敏になりやすい傾向があります。
この未発達な脳が、てんかん発作を引き起こす要因になることがあります。

2. 合併症リスクの増加

早産児は低酸素性虚血性脳症や脳室周囲白質軟化症(PVL)といった脳の損傷を伴う病気を発症しやすく、これらがウエスト症候群のリスク因子となります。

3. 神経ネットワークの異常

早産児では、神経ネットワークの形成が通常より遅れたり乱れたりする場合があり、それがウエスト症候群に関与する可能性があります。

【治療法と早期発見の重要性】

ウエスト症候群の治療は、発作の抑制と発達の改善を目指しておこなわれます。
早期発見と治療が、予後の改善に大きく関わるため、迅速な対応が重要です。

・薬物療法

主に使用されるのは、副腎皮質ステロイド薬(ACTH)や抗てんかん薬です。
ビガバトリンという薬も有効とされています。

・原因に応じた治療

症候性ウエスト症候群の場合は、脳の異常や病気に対する治療がおこなわれます。

・リハビリテーション

発達の遅れを補うために、理学療法や作業療法などのリハビリを並行しておこなうことが重要です。

【早期発見のポイント】

ウエスト症候群は、早期発見と治療が子どもの発達に大きく影響を与えると言われます。
以下のような症状に気づいたら、早めに小児科や神経内科を受診しましょう。

・首や体がカクッとうなだれるような動きを繰り返す
・あやしても笑わなくなる
・目が合わなくなる
・これまでできていた動作ができなくなる

まとめ

ウエスト症候群は、乳幼児期に発症するてんかんの一種であり、特有の発作や発達の停滞が見られます。
早産児では、脳の未発達や神経系の問題が関連して、発症リスクが高まることがあります。

大切なのは、子どもの発達や行動に気になる点があれば、早めに専門医に相談することです。
早期発見と適切な治療により、子どもの可能性を広げていくことができます。
焦らずに、子どもに合ったサポートを見つけていきましょう。

監修:
発達支援スクール コペルプラス
代表講師 有元真紀

幼児教室コペルの講師時代から、のべ1万人以上の子どもたちの指導に携わる。
また近年は指導員の育成にも力を入れている。

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