コラム

2024.12.09

自閉傾向とは? 自閉症スペクトラムとどうちがう?

子どもの発達に関する話題で「自閉傾向」という言葉を耳にしたことがある方も多いかもしれません。
「自閉傾向」と「自閉症」は似たような表現ですが、意味や特性にはちがいがあります。

今回は、自閉傾向とは何か、そして自閉症スペクトラム(ASD)とのちがいについて解説します。

【自閉傾向とは】

自閉傾向とは、自閉症スペクトラム(ASD)の特徴に似た傾向が見られる状態を指します。
例えば、社会的なやり取りが苦手であったり、こだわりが強かったりする特徴が見られるものの、日常生活や集団行動に大きな支障が出ない場合によく使われる言葉です。

重要なのは、自閉傾向そのものが診断名ではないという点です。
自閉傾向があっても、医学的な診断基準を満たさなければ、自閉症スペクトラム(ASD)として診断されることはありません。

【自閉症スペクトラム(ASD)とは】

自閉症は、現在では「自閉症スペクトラム(ASD)」という名称で知られており、次のような特徴を持つ発達障害の一つです。

①社会的コミュニケーションの困難

他人との言葉のやり取りが難しかったり、非言語的なコミュニケーションに課題が見られることがあります。

②限定された興味や行動パターン

一つの物事や活動に強いこだわりを持ったり、同じ行動を繰り返したりすることがあります。

③感覚の過敏さまたは鈍感さ

音や光、触覚などに対して過敏すぎたり、逆に鈍感であったりする場合があります。
自閉症スペクトラム(ASD)は「スペクトラム」という言葉が示すように、症状の現れ方や程度が人それぞれ異なるのが特徴です。

スペクトラムの意味についてはこちらの記事をご参照ください。

【自閉傾向と自閉症のちがい】

自閉傾向と自閉症は似た部分がある一方で、以下の点でちがいがあります。

1. 診断基準の有無

自閉傾向は診断名ではなく、観察された特徴に基づく表現です。
一方、自閉症スペクトラム(ASD)はDSM-5(精神疾患の診断基準)などで明確な診断基準が定められています。

2. 日常生活への影響の程度

自閉症スペクトラム(ASD)は、日常生活や社会生活に支障をきたすことが診断の前提になります。
一方、自閉傾向がある子どもは、特定の場面での困難はあっても、適応的に生活できる場合もあります。

3. サポートの必要性

自閉症スペクトラム(ASD)と診断される場合には、特別なサポートや療育が必要とされることが多いです。
一方、自閉傾向のある子は、家庭や学校での配慮があれば十分に対応できることもあります。

【自閉傾向のある子どもへの接し方】

自閉傾向のある子どもは、特定の場面で困難を抱えることがありますが、その子に合った接し方をすることで、スムーズに生活できるようサポートできます。

・具体的な指示を出す

あいまいな言葉ではなく、具体的でわかりやすい言い方を心がけましょう。
例えば、「片付けて」ではなく、「机の上の本を本棚にしまってね」と伝えると良いです。

・こだわりを尊重する

子どもの特定の興味やこだわりを否定せず、受け入れる姿勢を大切にします。
それをきっかけに、新しい活動や人間関係につなげることも可能です。

・小さな成功体験を増やす

子どもができたことを積極的にほめることで、自信を育む手助けをします。

【自閉傾向を早めに理解する大切さ】

自閉傾向が見られる場合でも、特性に応じた配慮をおこなうことで、子どもが持つ力を最大限に引き出せる可能性があります。
また、自閉症スペクトラム(ASD)が疑われる場合は、専門機関に早めに相談することで、その子に合った支援につなげることができます。

・言葉の発達が遅い
・呼んでも振り向かない
・目が合わない
・他の子どもと遊ぼうとしない
・こだわりが強すぎる

上記のような特徴が気になる場合は、コペルプラスなどの児童発達支援スクールや発達支援センターに相談することから始めてみましょう。

まとめ

自閉傾向と自閉症スペクトラム(ASD)は似た特徴を持ちながらも、日常生活への影響や診断基準にちがいがあります。
自閉傾向がある子どもたちも、特性に合わせたサポートや環境調整によって、伸び伸びと成長することができます。

一人ひとりの特性を理解し、温かい目で見守ることが、子どもの未来につながる第一歩です。

監修:
発達支援スクール コペルプラス
代表講師 有元真紀

幼児教室コペルの講師時代から、のべ1万人以上の子どもたちの指導に携わる。
また近年は指導員の育成にも力を入れている。

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