コラム

2025.02.20

子どもの心を落ち着かせる漢方薬「甘麦大棗湯」の効果とは?

子どもの夜泣きや癇癪、不安感が強い時などに、何か緩和できる方法はないかと考える保護者様はたくさんいらっしゃいます。
そうした場面で時折、漢方薬の「甘麦大棗湯(かんばくたいそうとう)」が選ばれることがあります。

甘麦大棗湯は子どもの夜泣きや不眠などに効果があるとされ、発達障害に起因した癇癪や睡眠障害などに用いられることもあります。
そこで今回は、甘麦大棗湯がどのように作用し、どんな場合に適しているかについて解説します。

【甘麦大棗湯ってどんな漢方薬?】

甘麦大棗湯は、「甘草(かんぞう)」「大棗(たいそう)」「小麦(しょうばく)」の3つの天然成分から作られた漢方薬です。
歴史ある処方で、日本だけでなく中国でも古くから精神的な不安や心の安定を保つために用いられてきました。
子どもだけでなく、大人の不眠やストレス、イライラの緩和にも使われています。

【甘麦大棗湯が子どもに向いている理由】

甘麦大棗湯は、比較的穏やかな作用が特徴です。
多くの薬が体に負担をかけることなく、ゆっくりと心を落ち着けてくれるため、子どもにとっても安心して使用できます。

また、以下のような子ども特有の心の不安に役立つとされています。

・夜泣きや悪夢
・情緒不安定や気持ちが落ち着かない状態
・環境の変化に伴うストレス
・新しい友達や先生との関わりからくる不安感

特に、小さな子どもが夜泣きを繰り返している場合や、イライラして感情が抑えられないときなど、甘麦大棗湯が心を優しくサポートし、心身のバランスを整えてくれる効果が期待できます。

【甘麦大棗湯の成分とその作用】

甘麦大棗湯の3つの成分は、それぞれ異なる働きを持ち、心に寄り添う形で作用します。

①甘草(かんぞう)

抗炎症作用があり、心の緊張をほぐしてくれます。
子どもの不安定な気持ちを優しく包み込んでくれるような作用が期待できます。

②大棗(たいそう)

滋養強壮の効果があるとされ、体力が低下しているときのサポート役になります。
情緒が不安定な状態を安定させ、リラックスさせる作用があります。

③小麦(しょうばく)

精神を安定させる働きがあるとされ、心のバランスを整える役割を持っています。
心の平穏を保つための手助けをしてくれる成分です。
これらの成分がゆっくりと体に働きかけ、子どもの心の安定を助けます。

【実際にどんな効果が期待できる?】

甘麦大棗湯は、飲んだ直後に劇的な変化が現れるわけではありません。
ですが、継続して服用することで、次第に心が穏やかになり、ストレスの少ない毎日を送れるようサポートします。

具体的な効果としては、以下の点が挙げられます。

・情緒の安定

泣きやすかったり、怒りやすかったりする子どもが、次第に落ち着きが出てきます。

・不安の軽減

新しい環境に適応しやすくなるため、入園や引っ越しなどの変化に対する不安が和らぎます。

・夜泣きの緩和

夜に目覚めて泣いてしまうことが減り、睡眠の質が改善されます。

【使い方と注意点】

甘麦大棗湯は、自然由来の成分を中心に作られているため、基本には安全に使用できます。
ただし、服用前には以下の点に注意が必要です。

①医師に相談する

市販の漢方薬とはいえ、自己判断での服用は避け、医師に相談した上で使用を開始することが重要です。

②他の薬との併用に注意

特にアレルギー薬や睡眠薬と併用する場合、成分の相互作用が発生することがあるため、医師に確認しましょう。

③体質や体調に注意

甘麦大棗湯が体質に合わない場合、まれに腹痛やアレルギー反応を引き起こすことがあります。
異常が見られた場合には、すぐに服用を中止し、医師に相談しましょう。

まとめ

甘麦大棗湯は、子どもの心の不安や情緒の安定を優しくサポートする漢方薬として用いられることがあります。
自然の力で少しずつ不安が和らぎ、心のバランスが整えられることで、子どもの夜泣きや癇癪が落ち着いてくるといった効果が期待できます。
しかし、漢方薬も「薬」であることを忘れず、服用前には必ず医師の指導を受けましょう。

心のケアは子どもの成長にとって大切なものです。
甘麦大棗湯は、その手助けとして役立つことが期待されますが、子ども自身が安心して過ごせるよう、周囲の大人が愛情と理解をもって見守っていくことが一番の支えとなります。

監修:
発達支援スクール コペルプラス
代表講師 有元真紀

幼児教室コペルの講師時代から、のべ1万人以上の子どもたちの指導に携わる。
また近年は指導員の育成にも力を入れている。

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