コラム

2020.06.15
発達障害について

発達障害の「苦手」に対応する - 2

前回、獲得が難しいスキルについて、「届きやすい刺激」を意識した環境について書きました。
次に「できないことをやりやすくする」工夫についてです。
2.具体的な「できないこと」の手助けをする
こちらも例を使って、考えてみましょう。
たとえば「名前を呼んでも振り向かない」ことも、コミュニケーションが苦手な子どもにはよくあります。
つい「自分から振り向く」ことを目指して、繰り返し名前を呼んで振り向かせようとしてしまいます。
しかし、これは「適切に行動(反応)していない」という経験を繰り返すだけです。
ここでまず目指すべきは「名前を呼ばれて反応する」ことなので、大人の方が子どもの近く_目線の先へ移動し「○○ちゃん」と名前を呼んでみます。
自分の間近にいる人へ目線を少し動かすだけですから、苦手な子どもでもできそうです。
それでも目線が合わないようなら、手を取って顔を触らせながら「○○ちゃん」と笑顔で繰り返してみます。
少しでも目線の動きや反応らしきものが感じられたら「やったー、先生だよ」と言葉をかけます。
一気に100点の姿、つまり「呼んだら自分から振り向く」を目指すのではなく、手助けによって「できた」体験を重ねるようにします。
前述の「届きやすい刺激」とやり方は似ていて、考え方としても通じますが、「これができないのです」というご相談にまずご提案したいのは、「できるようにサポートしましょう」ということです。
苦手なことを一足飛びに変えようとするのではなく、現時点で目的とすること、ここでは「名前を呼んで目線を合わす」を達成できるサポートを考えるのです。
子どもの成長は、見方によっては少しずつ、見方によっては著しく進みます。
著しい成長ばかりを、目指しているとなかなか進みません。
少しずつの成長を見つけられるようになると、著しく成長していることにふと気づきます。



執筆:
発達支援スクール コペルプラス
代表講師 有元真紀

幼児教室コペルの講師時代から、のべ1万人以上の子どもたちの指導に携わる。
また近年は指導員の育成にも力を入れている。

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